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大飯原発の再稼働が秒読みに入ったようだ。「15%以上の節電要請」や「計画停電の準備」という脅しに、関西の首長連合が降参した形だ。じわじわと気温が上がってきたのも、白旗を上げる理由になったのだろう。

そもそも、原発の“安全性”は再稼働の有無の問題ではないと思う。停止中の原発であっても、使用済み核燃料という厄介なものを抱えているわけだから、地震や津波、あるいはテロなどにより被害を受けると、運転中のものと同じように危険な状態になりうる。

むしろ、運転中というある種の緊張状態にあった方が、対処がしやすいかもしれないし、運転中の方が人員体制も整っているだろう。

原発のリスクを0にするには、廃炉にするしか方法はないと思う。再稼働の承認を政治の道具にするような発想はナンセンスではないだろうか。

輪島市が、がれき処理の検討を始めたところ、抗議のメールが殺到したという。輪島市は能登沖の地震で大きな被害を受け、大量のがれきを新潟や富山で受け容れてもらい、数年がかりでようやく処理をした経験から協力の検討を始めたのだが、抗議の多さに戸惑いを覚えたという。

戸惑いの原因は、抗議の半数以上が市外からのものであったことだ。輪島は漁業や観光が大きな産業になっており、これらの人たちに“風評被害”を恐れる声が広まったために、ためらいが出たようだ。

先週「海老の桑田」では、ふだん一杯980円で売られているパラソル級のヤリイカが300円で、ムギイカが五杯で150円で売られていた。聞いて見ると、ふだんのものは北陸産だが、安売りされていたのは「外房産」のものだということだ。

風評被害の大きさがよくわかる出来事で、輪島の漁業や観光に携わる人たちがナーバスになるのもよくわかるし、首長が原発の稼働に敏感に反応するのもよくわかるのだが…

外房産のパラソル級のヤリイカが980円で売られるようになった時に、原発事故の風評被害が収まったといえるのかもしれない。




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