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先日、実質実効為替レートが、1985年のプラザ合意以来の低い水準に落ち込み、円の値打ちが低下していることに触れたが、その他にも日本の影響力が低下していることを示す兆候がある。それは、海と空の港だ。

例えば、港は横浜や神戸港は1990年代に国際ハブ港としての位置を釜山に奪われ、日本から海外へ荷物を運ぶのに、いったん釜山へ運んでからということが少なくない。これは、港湾施設の整備の遅れや、24時間体制がとれないなど政治の責任が大きい。

これにもまして、深刻なのは空港の問題である。成田空港の利用客は、2075万人が利用しているが、香港(3980万人)、シンガポールのチャンギ(3072万人)、韓国の仁川(2559万人)についで4番目になっており、まもなく中国の上海(浦東 1456万人)に抜かれるのも時間の問題だろう。

成田は貿易港として2位の名古屋港を大きく引き離し、国内で1位になっている。しかし、国際比較をすると、香港の340万トンについで223万トンで2位にとどまっており、間もなく仁川(212万トン)に抜かれるものと思われる。

これは空港の規模の違いによるもので、成田は公称950Haとされているが、実質は700Haしかなく、4000M滑走路はあるものの1本だけで、もう1本は2150Mしかなく、実質的には1本でやりくりをせざるを得ない状況である。

これに対して、香港やチャンギは4000M級滑走路を2本用意しており、仁川は3750Mを2本持ち、さらに4000Mを1本現在建設中である。浦東は4000Mと3800Mを1本づつ持ちさらに3400Mを1本建設中である。仁川は4700Ha,浦東は3500Haであり、成田との規模の差は明らかだろう。

国際ハブ空港として成田の地位低下は明らかであり、近い将来日本からヨーロッパへ行く場合は、仁川や浦東経由を余儀なくさせられるかもしれない。空港の規模の差は、旅客輸送以上に貨物便の扱いやすさに差が出てくる。航空貨物輸送のDHLは香港に次ぐアジア第2ハブを、仁川と浦東の2つに絞って検討中だとされている。

乗客や貨物の取り扱いの差は、産業競争力の差にもつながるものである。このような状況を生み出したのは、国際的な自由化の進展の中で、既得権益を守ることを優先してきた、政治や行政の怠慢に他ならないと思う。

美しい国を実現するためには、“空港力”をいかに高めるかがスタートとなるのではないだろうか。もっとこういう問題を選挙の論点にでもして欲しいが、ほとんど聞こえて来ないのが残念でならない。円安の進行は観光客の誘致には有利に働くが、このような状況ではせっかくのチャンスを逃がしてしまっていると思う。


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