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日経の一面に、昨日と今日「アジア消費をつかむ」という特集記事が掲載されている。ヨーロッパの金融危機を受けて、アジアに目を向ける日本企業の取り組みについて紹介された記事だ。

この記事では、経済成長が著しく、中間層の膨張が旺盛な消費を生み出しているためだとしている。中国、インド、インドネシアという人口大国の中間層は10年に3億2000万世帯あり、それが15年には4億3000万世帯まで1億1000万世帯増えるとしている。

アメリカ、EU、日本の先進国合計では1億2000万世帯で、この間ほぼ横ばいだとしている。この記事通りだとすると、この5年間で先進国の中間層がもう一つでき上がることになるのだから、注目を集めるのは当然のことである。

しかしこの記事には一つ疑問がある。中間層の定義が、年収5000ドルから3万5千ドルとしている点である。円に換算すると、年収約40万円から300万円になり、これは先進国においては中間層ではなく、貧困層に相当すると思う。先進国のレベルではもうワンランク上の所得層が中間層である。

この記事では先進国の中間層についての定義は明確にされていないので、1億2000万世帯というのはワンランク上を指しているのか、先進国の貧困層を言っているのかよくわからない。「アジアの中間層」の大きさを示すために引用されたデータなのだろうが、私には戸惑いを感じさせられる数字の扱いである。

記事の中に、「インドの商都ムンバイの家電量販店。販売員の説明を聞くのは医師のプンダリック・ソナウさん(38)。月収は2年で3倍となり、昨年、ソニーの32型薄型テレビや韓国製の冷蔵庫、エアコンを購入した。「次はソニーのホームシアターとホンダの新車が欲しい」。」というくだりがある。

旺盛な消費意欲を示すためのもので、読み流してしまうような内容だが、いくつか疑問がわいてきた。日本では若手の研修医ならともかく、38歳の中堅になると、立派なアッパークラスである。中間層を強調しながら、医師の購買行動を引き合いに出すのはおかしな話だ。インドでは医師も中間層なのだろうか。

それに、「次はホームシアターを買いたい」とする人が、32型のテレビを買うのだろうかという疑問である。32型のテレビは子ども部屋のサイズであり、次はホームシアターと言う人の購買行動とはとても思えない。いい加減な記事の構成で、とても一面の特集になるものとは思えない内容だ。

最近の日経の一面の記事は「なるほど」と思わせるような記事はほとんどお目にかかったことがない。政治家の劣化だけでなく、新聞の劣化もどんどん進んでいるような気がする。

ところで、日本での貧困層に相当するアジアの中間層の人たちの、旺盛な消費意欲を満たすためには、当然廉価にならざるを得ない。これが回り回って日本に流れてくるだろうから、デフレ脱却はいっそう困難になるのは間違いなさそうだ。
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