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ユニチャームに「3000ドルの法則」というのが、昨日の日経一面に連載されている「企業 強さの条件」で紹介されていた。紙おむつの市場は、その国の一人当たりGDPが3000ドルを超えると急拡大するというもので、インドネシアがちょうどそのタイミングにさしかかり、対応を強化しているというものである。

この話は、昨年同じ日経の「私の履歴書」の中でも紹介されていたような記憶があるが、インドネシアの人口は日本の2倍あり、消費財メーカーにとっては魅力的なマーケットである。

注目したいのは、ユニチャームは消費財メーカーであり、耐久消費財メーカーではないということである。これまで新興国への輸出というと、富裕層を狙った耐久消費財と、新興国で生産するための部品・部材の輸出が主なものと考えていたように思う。

物価の違いがあり、日用品は価格で太刀打ちできないと諦められていたが、生活水準の向上とコストダウンで何とか手が届くレベルに近づいたのは大きなことだと思う。輸出産業が一部のメーカーから大きく広がるからだ。

これまでのお得意様だった欧米の市場の5倍のマーケットがアジアには存在するのである。進境著しい東南アジアだけでも5億を超えるマーケットになる。

08年のリーマンショックは、世界の重心をアジアに移し替えた大転換の引金になったと思う。これからの10年間は、アジア戦略をどのように練り上げていくのかが大事な年だ。

しかも対象は、中国やインドだけでなく東南アジアのASEAN諸国もチャーミングな存在なのである。ユニチャームだけでなく、色んな企業のアジア戦略が見えだしたときに、日本の閉そく感は払拭できるだろうし、失われた30年も回避できると期待したいのだが。

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