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前原外務大臣が“誠司とカネの問題”で辞任することになった。偽メール事件に続いて脇の甘さが露呈したが、厚労相の問題もあり、これで民主党政権は命脈が尽きたろう。

それにしても、安部内閣以来政権が苦しんでいる“参議院の優位性”の矛盾が、何も決められない政治を助長しているように思う。局面を打開しようにも参議院は解散がなく、最低でも3年はこの状態が続くことになる。「失われた30年」に向かってまっしぐらに突き進むしかないのだろうか。

戦後の日本の転換点は75年と95年の2度起こっている。人口問題の視点から見ると、工業化に伴う都市部への人口大移動により、60年代は20を超える県で人口減少に悩まされていたが、70年代の10年間は人口減少県が一つもないという奇跡の10年だった。

75年には、GDPに占める製造業のウエイトがピークに達した時である。

80年代に入り人口減少県が再び見え始め、2000年代は30を超える府県で人口が減るまでになっている。その引き金は、95年に生産年齢人口(15歳~64歳)がピークに達したことだ。05年以降の総人口の減少が「ジャパン・シンドローム」として問題視されているが、例えて言うと総人口の減少は饅頭のサイズが小さくなったようなものである。

しかし、生産年齢人口は饅頭のアンコに相当する部分である。総人口減少の10年前から、アンコが小さくなり始めていたのである。産業の面から言うと、95年にはサービス業が製造業を超えた時期でもある。

20年おきに転換点があったことを考えると、次は2015年に迎える事になる。2015年には団塊世代がすべて65歳を超え、生産年齢人口が大幅に減少することになる。ジワジワとひずみが出ていたものが、一挙にひび割れとなって現れると思う。

後4年しかないこの時期に、権力争いしかしていない政治には愛想が尽きた。自民党では若手議員が中心になって、国債の暴落に対するシュミレーションを研究しているようである。

危機管理を考えているのは結構なことだが、危機を起こさないことを考えるのが先だろうに。

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