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今日の午前中は、月に1回の歯医者通いの日である。徒歩2~3分の同じ町内にあるが、歯科衛生士の話によると、昨日は午後に停電し、今日は夕方が当番で停電になるため、休院するという。同じ町内なのに、ここでも連帯から仲間外れにされたのだろうか。

同じ町内でも送電系統が違うようであり、東電が周知に手間取っているのも納得できる話だ。この点に関しては、東電を責めるわけにはいかない。少しトーンダウンしなければ。

今朝のブログで「強行開幕」について触れたが、この言葉により午前中にかなりのアクセスがあった。国民に勇気を与えようとしているのだろうが、その前に国民の“納得”を得ることが必要になるとは、ナベツネは思ってもみなかったのではないだろうか。

こういうのをKYと呼ぶのだが、「デフレの正体」(角川ONEテーマ21)で著者の藻谷浩介氏は、もう一つのKYがあるとしている。

「空気が読めない」ではなく、「空気しか読まない」というKYである。

スーパーの棚が少し隙間があり、隣の人の買い物かごの中身を見て空気を感じ取り“仮需”に走った人や、ヘリコプターの放水が始まったのを見て何かを感じて株価を300円も一気に押し上げた人たちはこのタイプの典型だ。

H&Mは都内にある10店舗(何時の間にこんなに増えたのか不思議だが)を全て一時閉店し、日本支社を大阪のホテルに移すことを発表した。同時に、社員とその家族合わせて2000人も大阪に疎開し、費用は全額スウェーデンの本社が負担するという。

日本政府は30キロまでを警戒区域に設定しているのに対して、アメリカ政府は80キロ圏の同胞に対して避難勧告を出している。

海外では、今回のトラブルについてどのように見ているかの典型的な事例だ。このように私の目から見て過剰な反応をするのは情報の質にあるからだと思う。

海外メディアの日本国内での情報収集能力は、当然国内メディアよりも劣り、情報源の多くは報道されたものになるはずだ。その情報の断片を本国に送信するのだろうが、本国で断片をつなぎあわせた時には元のものとはだいぶ異なってしまうのだろう。

それを見ている人は、自分の中で再構築した時には…ということになると思う。伝言ゲームのようなものだ。こうして「空気しか読まない」人たちがまた出現してしまうのではないだろうか。

「正確な情報」が必要とされるという表現がされると思うが、必要なのは「的確な情報」だと思う。

例えば、今回の事態で放射線量があちこちで計測され、結果が報道されている。多くの見出しは「○○倍の放射線を観測」というものになっている。極端なケースでは、「25キロ圏で6000倍を計測」というものを見た。

これは「正確な情報」である。普段の何倍というのは間違ってはいないのだが、「的確な情報」とは言えない。必要なのは、危険なのかどうか、どのように行動するべきかという指針になるような情報提供のやり方にあると思う。

文科省が観測データを公表している。定点観測ではなく、計測車が走り回った結果を公表しているにすぎない。情報の一次的使命は「様子を知る」ためのものだが、それは「次はどうなるか」を考え、どのような行動をとるべきかを“判断”するためのものである。

次はどうなるかを考えるためには、定時定点観測で時系列にデータを見るべきだと思うが、ランダムな抽出した結果を公表するというのは、「正確」ではあっても「的確」ではなく、いたずらに混乱を煽るだけで、「空気しか読まない」人々を生み出すだけだと思うがどうなのだろうか。
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