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プロ野球の世界では勝率6割を上げれば十分リーグ優勝できる世界である。しかし、大相撲では勝率6割は9勝6敗で、大関の成績では物足りず、平幕の上位ならば横綱・大関相手に頑張ったとして三賞候補に挙がる数字である。

身体が直接ぶつかり合うスポーツというのは、力量差が歴然としているためそれだけ番狂わせが起こりにくいスポーツであると思う。大相撲はその典型で、優勝は大抵の場合13勝以上のレベルにあり、勝率は8割越えである。

白鵬は09年と10年の2年間にわたり、年間成績が86勝4敗という驚異的な数値を残している。勝率が95%を超えているが、統計学的に言うと5%以下というのは“めったに起こらないこと”を意味しており、負けること自体が大きなニュースになるのである。

白鵬が強すぎてライバルが抜け出すことができず、一人横綱が続いているともいえる。その1年に4回しか負けなかった白鵬が前半だけで1年分負けてしまって優勝争いは大混戦になってしまった。

一昨日の時点で白鵬を上回る成績を上げていたのは、1敗が1人に、3敗が8人であった。それが、昨日の取り組みの結果どうなったかというと、2敗が1人に、3敗が2人になってしまったのだ。合計すると2勝7敗である。

3敗に踏みとどまった2人は、相手が1敗力士と3敗力士の2人であるから、優勝の芽がある力士は実質的には全員負けたのと同じである。絶対横綱が成績を落としたおかげで、どの力士にもチャンスが生じ、“色気”を持った途端に力みや、ぎこちなさが出たのだと思う。

身体のぶつかり合うスポーツで番狂わせは少ないはずなのに、精神面の動揺が結果に反映されやすいということだろう。精神面の動揺を見るメジャーは、立ち会いの時の仕切りにあると思う。昨日の稀勢里の立ち会いも、いつもより早めに手をついており、気負いがあったようだ。

2敗が1人に3敗が2人だが、その下の4敗は白鵬も含めて9人もいる。この分だと、11勝4敗で何人かの優勝決定戦になり、終わって見れば白鵬の優勝ということになる可能性も多そうだ(10勝5敗の決定戦にはならないと思うのだが)。今日も仕事がオフなので、上位力士の仕切りをじっくり眺めてみたい。

尖閣の寄付金は16日現在で6億9千万円になった。ペースは落ちてきたが7億越えは間違いなさそうだ。
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