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今朝の日経のスポーツ欄に小さくガンバ大阪の安田が、オランダのフィテッセへ移籍したと報じられた。安田は北京五輪に出場しているが、日本代表には手が届かないレベルで、一層の飛躍を期してのものなのだろう。

南アW杯が終わった直後に、香川や長友など5~6人が海外へ活躍の場を求めたが、Jリーグのシーズンが終わった年末から年始にかけては家永や細貝などさらに多くの選手が移籍した。南アW杯以降の日本人Jリーガーの海外移籍は、10人を超えたと思う。

これまでの日本人選手の海外移籍は、中田ヒデや中村俊輔など日本代表として実績を挙げている“旬”に達しての移籍が主流であったが、最近の移籍者を見ると代表一歩手前のこれから旬を迎える選手の移籍が目立つように思う。

南アでエースとしての存在感を示した本田は、オランダで一皮むけてのものであり、南アには練習相手としてしか帯同できなかった香川が、ドイツで大ブレークして前半シーズンのMVPに選ばれたことなどが大きな刺激になったものだと思う。

その結果、明日から開催されるアジア杯で、レギュラーの11人のうち8人は海外組になることが想定されている。南アのフィールドに立った11人のうち、海外組は本田と松井の2人しかいなかったのとは様変わりである。わずか半年しか経っていないのにである。

こうなるとJリーグの空洞化が心配されるが、小野や小笠原、稲本といったベテランのいぶし銀のプレィや、次の本田・香川となるだろう若手を見つける楽しさの方が大きいのではないかと思う。

気になるのは国際サッカー連盟の理事選挙で日本は敗れ、8年間維持していた理事のポストを失ったことである。2人の枠があるが、タイとスリランカが当選し、日本と中国がポストを失った。

当選した2人はいずれもアジア連盟の会長であるカタールのハマム氏に近いとされる人物で、中東の影響力が強まった結果である。このところ、W杯や五輪の代表争いでは東アジアが優勢に立っているが、政治の世界では西アジアが優位を占め、今後の代表争いに影響を与えるかもしれない。

このような構図は何もサッカーに限った話ではない。選手の海外移籍は、日本製品が海外を席巻した時のように、商品の品質を認められてのものであり、理事のポストを失ったのは外交手腕の拙さに他ならない。多くの分野でこういう光景を眼にするように思う。日本人のDNAには“外交下手”があるに違いない。
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