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冬らしい日々が続いている。成人の日には、さらに一級の寒波がやってくるという。関東地方はそれほどでもないのだが、今年は西日本にも寒波が押し寄せているのが特徴で、大山と青森県の酸ケ湯の積雪量が同じレベルになっている。

北極圏の寒波の吹き出し口が例年に比べて微妙にズレているのだろうが、西日本の日本海側に寒波が来ているということは、その北にある韓国はもっと寒く、ソウルの最低気温が氷点下20度で最高気温も氷点下5度という寒さである。ソウルでそのような状況ということは、その北にある将軍様の国はさぞかし辛い冬を迎えていることだろう。

ところで、日本より寒い韓国からホットなニュースが飛び込んできた。サムスン電子の今年の設備投資と研究開発費が3兆円になるというニュースである。思い切った資金の投入である。

20年前に日本の半導体産業は世界のトップシェアを誇っていた。それが失われた10年の間に韓国に追い抜かれ、次の10年で差を開かれたのだが、格差がさらに開くであろうことを予測させられるニュースである。

韓国の電子産業が日本に追い付き、追い越したのは思い切った投資に踏み切ったためで、「選択と集中」の実践に他ならない。3兆円の資金投入にもそれが現れている。

選択と集中はビジネスの世界に限らない。例えば、WBCで日本と接戦を演じ、北京五輪で金メダルを獲得した野球で見ると、高校で野球部があるのは50校を少し超えた位である。日本では人口200万程度の県の予選参加校と同じレベルの数しかない。

それだけの数しかないのに4000校を超える裾野を持つ日本と対等に戦えるのは、50数校が“クラブ活動”ではなく、“エリート”の集団であるということだろう。エリートを集めて切磋琢磨を促し、その結果として選ばれた“精鋭”の集団が韓国代表になっているのだと思う。

野球に限らず、スケートのショートトラックでも圧倒的な力を持ち、ゴルフでも昨年の日本ツアーの賞金王は男女とも韓国勢である。アメリカでは男子ツアーに比べて女子ツアーの注目度が近年低下し、地上波での中継もなくなっているが、その理由は毎回韓国選手が優勝しアメリカ人の興味が無くなったためとされている。

その部門のエリートを集中的に鍛え上げるという「選択と集中」は韓国のお家芸かもしれない。エンターティメントの世界でも、Jポップがこれまでアジアをリードしてきたが、今年はKポップが本格的に日本に参入しそうである。

これも同じ文脈で見る事が出来る。歌や踊りに才能のある子供を発掘し、徹底的に鍛え上げているのである。特にKポップは日本市場をターゲットにし、楽曲の選択やファッションも“日本人好み”を意識しての参入である。今年の暮の紅白にはKポップのグループがいくつも登場するかもしれない。

中庸意識の強い日本人にとって、「選択と集中」は苦手なのかもしれない。今日の芸術生活カレンダーの標語は、「人に拍手を送ろう」となっているのだが…
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