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今日は5月下旬の気候だそうで、半袖で過ごせる感じである。陽気に誘われてあちこち歩いている間に午後になってしまった。

私の使っているパソコンのインターネットのポータルサイトは「日刊スポーツ」にしてある。インターネットに接続すると、「佑ちゃん!6回1安打8K零封]の見出しが躍っていた。今日から開幕した6大学のオープニングゲームにいきなり斉藤投手がデビューしたのである。今日はヤンキースの井川も登場したにもかかわらず、“佑ちゃん”がトップ記事になったのである。

事前のマスコミの記事では2戦目の先発の有力候補とされており、記念すべきイベントはかかさずチェックしている者としては、不覚をとった感じである。今年から日テレが放映権を獲得し、今日も放送されたようであり、天気が悪ければ、自宅に居たものをと残念な思いがする。

斉藤の人気はこれまでの甲子園のアイドルの定岡や荒木大輔とはちょっと違う質のものだと思う。
インタビューに応じる態度が真面目さを感じさせ、話し方や話す内容がそこらの大人以上にしっかりとしている。こんな息子がいたらと中高年の心をくすぐる存在である。一言で表現するなら「爽やか」という言葉がぴったり来る。アマチュアスポーツの清々しさである。

戦前のプロ野球の黎明期には、大学野球の人気が大きく上回っていたし、戦後も30年代の早慶6連戦(テレビで安藤の6連投に感動していたのを思い出す)や、40年代の田淵や江川などスター選手の続出など華があったが、バブル期以降はさっぱり盛り上がらなくなってしまった。

アマチュアスポーツの魅力は、仕事や学業などの「制約」を乗り越えて力を発揮できる点にある(昨日のブログとつながるところがある)。
かってのラグビーの人気も、アマチュアスポーツの真髄を感じさせてくれたことが魅力になっていたと思う。サントリーと仕事をしたことがあるが、社内で絆創膏を顔に貼り付けたがっしりとした体格の人を何度も見かけており、仕事とスポーツを両立されていることをうかがわせる光景であった。

今年ラグビーのワールドカップがフランスを中心に開催され、日本も(ラグビーの代表は「ジャパン」と表記したほうがしっくり来るが)出場するがほとんどメディアで取り上げられることはない。ラグビー人気の最盛期は新日鉄釜石が7連覇をしたときであり、その後の神戸製鋼の7連覇の時はそれほどの盛り上がりは感じなかった。
釜石は高卒の現場の臭いがする選手が多数おり、大学のスター選手を集めた神戸製鋼とは一線を画していたと思う。

神戸製鋼に対抗するため外国人選手を導入し、各チームのレベルが向上したことがかえってラグビーの魅力をなくしてしまったのではないかと思う。ラグビーのワールドカップは87年と比較的最近に創設されている。
これはラグビーは消耗の激しいスポーツで連戦が利かないため、世界大会を開催すると1ヶ月以上の長丁場にならざるを得ず、その間の休業補償をどうするかが問題となっていたためである。プロ化により、ようやくワールドカップの開催にこぎつけたのである。

「制約」を取り払って最高水準を楽しむか、「制約」の中で工夫を楽しむかということを考える必要がある。お正月の恒例スポーツとして、元日の「実業団駅伝」、2~3日の「箱根駅伝」がある。レベルは実業団の方が圧倒的に上だが、注目度は「箱根駅伝」の大差勝ちである。強いだけではだめな典型例だろう。

こんなことを考えていたら、新聞の広告で「斉藤佑樹くんと日本人」という本が文春新書から出版されているというのが眼に入った。早速読んでみることにしよう。


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