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歳を重ねるとともに、食べ物の好みは洋から和へと変わった。肉を好んで食べたのは20歳代までで、30歳代の半ばごろからは「肉よりも豆腐」が御馳走になり、60歳を超えた今では夜中に胃がもたれるので、好物のウナギは昼食でしか食べなくなった。お酒の方も、ビール党だったものが日本酒党になったのだが、食べ物の好みの変化で日本酒党になったのか、日本酒党になったので和食が好きになったのかはよく分からない。

書店で、「日本の七十二候を楽しむ ー旧暦のある暮らしー」(白井明大著 東邦出版)というタイトルの本を見かけた。七十二候という聞き慣れない言葉に魅かれて早速購入してみた。

季節を表す言葉は、春夏秋冬の四季だけだと思って育ってきたが、大人になって立春から始まる二十四節気というものがあることを知った(それも30歳代を過ぎてからだと思う)。その二十四節気各々が、初候、次候、末候と別れて七十二候となるのだそうだ。

面白いのは、その七十二候に各々名前が付いており、今は春分にあたるが、その初候は「雀始めて巣くう」、次候は「桜始めて開く」とあり、末候には「雷乃声を発す」とある。今日の空模様から見ると、今は春分の末候にあたるのであろう。

本の中には、各候の旬の野菜や魚介類も紹介されている。春分の初候の旬の野菜は「蕗」、魚介は「帆立貝」、次候は「アスパラガス」と「さくらえび」、末候は「うど」と「真鯛」となっている。

毎週1回は「エビの桑田」を覗くようにしているのだが、昨日はことのほか店頭が賑やかに陳列されていた。生きのよさそうな魚介がいつもの2倍ほど並んでおり、その中で目に付いたのがアオリイカと、帆立貝だった。

アオリイカはイカの王様と言われ、3杯も釣れば納得の釣行になるのだが、これが1杯500円とのこと(値札は貼っていない)。さらに私の手のひらサイズの帆立貝は280円とのことであった。早速買い求めて、アオリイカの刺身と、ホタテのバター焼き(本の中で紹介されていた食べ方)を堪能することになった。

一応、サッカーの試合に備えねばならないので、食事の開始を9時に設定し、控え目に飲むようにしていたが、ホタテのバター焼きの想像以上の旨さに(肝が醸し出すコクがキモだった)、白ワインを予定よりもグラス2杯分多く飲んでしまった。

というわけで、結局前半終了した時点でダウンしてしまい、試合結果は今朝のニュースで知ることになってしまった。





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