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昨日の日経の朝刊に、「低すぎる成長の天井」という記事が掲載されていた。日銀の黒田総裁の会見で、「需給ギャップの縮小」が述べられたことについて、その要因を潜在成長力が低いためとする記事である。

日本の潜在成長力は、80年代は4%を超えていたが、90年代には1%台の半ばになり、00年以降は1%を切る低い水準にまでなっている。需要が乏しいため、供給側もそれに見合った体制になり、その結果需要が少し増えただけで供給が覚束なくなる=需給ギャップ解消につながるという理屈である。

潜在成長力は、人に例えて言うと「基礎体力」のようなものである。政府が景気のカンフル剤として公共工事を大幅に増やしても、人手不足で入札不調を起こして十分機能しないというのは、老化による基礎体力の衰えで、少し運動するとすぐに汗をかいて、ぜいぜいはーはーと呼吸が苦しくなってしまうようなものである。私の山登りと日本経済は同じような気がする。

私と同じような体力だとすると、まず食生活に気を配る必要がある。暴飲暴食は避け、「腹八分目」を心がける必要があり、脂っこい物などは論外である。

異次元の金融緩和でマネーサプライをジャブジャブにするなどというのは、脂肪の取りすぎと同じような気がする。

成熟国家としての経済運営を志向すべきではないだろうか。キーワードは文化だと思う。文化は芸術分野にとどまらず、生活の楽しみ方全般をさすものと考えている。ライフスタイルを売り物にするというのはどうだろうか(昨年フィリピンで日系人から聞いた「ジャパニーズ・ウェイ」という言葉が忘れられない)。

それにしても、潜在成長力が0.5%しかないというのは寂しい事だが。

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