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台湾に日本の老舗旅館の加賀屋が開業したというニュースが昨日流れていた。加賀屋といえば、一泊4万円の高額にもかかわらず中々予約が取れないことで有名なのだが、このブランド力を生かして、成長著しい台湾の富裕層を狙ってのものなのだろう。“おもてなし”の輸出ということだ。

今朝の日経の社会面には、「日式おしゃれ 中国で熱」という見出しの記事が掲載されている。北京の日本人経営の美容室が350~400元という高額にもかかわらず、連日盛況であることや、ファッション雑誌で日本のものが上位にランクされているということが紹介されている。
http://www.nikkei.com/news/headline/article/g=96958A9C889DE0E2E3EBE2E0E7E2E3EAE3E0E0E2E3E29180EAE2E2E2

主婦の友社の「RAY」が98万部で2位、講談社の「ViVi」が68万部と健闘しているとしている。外交面ではぎくしゃくしているが、「おしゃれに変身するためには、欧米よりも日本の着こなしや美容」ということらしい。

両者に共通するのは、“サービスの輸出”ということだ。ここに閉そく感を打開するヒントがあるような気がする。失われた20年の要因の一つは、経済が製造業中心からサービス業中心へと転換する時に、サービス業の中で有効な解を見出せなかったことにあると私は思っている。

金融業やIT産業へのシフトで、アメリカやイギリスはリーマンショックまで栄華を誇ってきたが、日本はバブル崩壊で金融業は大きな痛手を受けて乗り遅れ、ITもスタンダードを握れずにグローバルに展開できずにいる。

人口減少社会が進行し始めた時に、サービス業が成長を遂げるには新たな分野を開拓=商品開発するか、市場を外に広げる=輸出しかない。新しいサービスの開発には時間がかかり、手っ取り早いのは輸出なのだが、モノの移動に比べてサービスの移動は厄介な事になる。

そこで観光客の誘致は、外貨を獲得するという意味で輸出とおなじであるため、観光立国を目指すというのが産業政策の柱になるべきだと思っている。

加賀屋の台湾進出や、中国での美容関連の企業進出はそれだけでも輸出としての価値はあるのだが、そこでの経験を通じて日本への“憧れ”が講じて、観光へとつながるのが理想的だと思う。

サービス業の海外進出(特にアジア)について、政府は助成策を考える必要があるのかもしれないと思うのだが。
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