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震災の影響で報道機関の世論調査も“自粛”していたようだが、先週末に一斉に世論調査を再開した。普段なら、時期が微妙に異なることもあり、結果に違いがあるのだが、今回はほぼ同じ傾向を示しているようだ。

各社の調査結果を総括すると、政府の対応を評価しない人が多く(特に原発対応で顕著)、内閣支持率は20%台と低迷し、自民党の支持率が上昇し民主党をはっきり上回った事などであるが、首相交代は「震災・原発対応が“一段落”した後」、復興のための増税はやむなしというのが世論の大勢というところだ。

そもそも震災の起こる前に、政権の寿命は尽きようとしていた。それが震災によって延命されただけで、震災対応の不手際を見るにつけ、愛想を尽かした結果だろう。

ここで問題になるのは、“一段落”をどの時点と考えるかである。当面の応急処置を終えた段階までで、頼りない政府に復興計画まで委ねる気はないというのが正直なところだろう。

東電が昨日発表した行程表では、当面の対策をステップを二つに分けて発表し、ステップ1は応急処置に3カ月を要し、ステップ2で原子炉を冷温停止状態に持ち込むのに3~6カ月としている。

“一段落”を応急処置と考えるならば、冷温停止に向けた作業が本格的に始まる3ヶ月後、復興に向けて本格的な活動が開始できる時期と考えるならば、冷温停止が実現する6~9ヶ月後がめどになると思う。

予算案で言うならば、当座の手当である一次補正と、“復旧”の二次補正までは許されるが、“復興”の端緒となる三次補正は信認のない内閣が作成するのは許されないと思う。

復興計画のためには増税やむなしの空気が強くなっているだけに、いっそのこと半年後あたりで衆議院の解散・総選挙をやったらよいと思う。復興プランをマニフェストの中軸に据えて、有権者の判断を仰ぐのである。政治家・政党の力量を見極める、「復興プラン・コンテスト」である。

ところで、日経の世論調査による「今後、日本の政治に影響力を発揮してほしい政治家」のランキングでは、枝野官房長官が前回の4%から9ポイントの急上昇で13%となりトップになっている。

前回トップの渡辺喜美は5%と半減しており、支持率を伸ばしている自民党の谷垣総裁は4%と低いままである。官房長官がトップに躍り出たのは、露出量の多さが、好感度に大きく影響を与えたためであろう。その意味では、ぶら下がり質問を廃止したことは、菅首相にとって致命傷になったのではないだろうか。

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