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今日の日経の「日曜に考える」はTPPへの交渉参加問題が取り上げられている。このところの論議では、経団連vs農協のような構図になっている。農協の援軍として医師会が参戦しているような感じだ。

酒場談議でも格好のテーマであり、一昨日の「チョッと一杯」の場面でも、絶好の肴になっていた。私は交渉に賛成派、あい方は反対派で活発なディベートになったが、ディベートの行方はどうなったかは定かではない。酔っ払い談議の典型のような結末だ。

農業は壊滅的打撃を受けるというのが反対派の論拠になっているのだが、先日訪れた“明るい限界集落”の印象が強く、壊滅的打撃ということに首をかしげざるを得ない。

その限界集落には、農産物は米しか作っていなかった。もちろん「魚沼産コシヒカリ」というのは立派なブランドなのだが、それ以外に特産品はないのである。理由は、この地域は全て第二種兼業農家であるためだという。

本業が他にあり、片手間で農業をするには米が最も有利なのである。山菜やキノコを使って加工品を作る時間的余裕が持てないのである。専業農家の保護ならともかく、農業を“副業”にしている農家の保護というのに意味があるのだろうか。戸別所得保障政策の導入で、淘汰されるべき農家を維持し、集約化=競争力のある農家を育成するのを阻害している側面もあると思う。

CSの時代というのは、消費者の選択に任せるという点に意義があると思う。外国のコメを買うかどうかは消費者に任せればよいのではないだろうか。15~6年前の冷夏の時に、タイや中国のコメが緊急輸入されたが、国産米が出回るとほとんど消費者は手を出さなくなったような記憶がある。

25年前に、2週間アメリカ旅行をした時に立ち寄ったロスのリトル東京の寿司屋で食べた、カリフォルニア米の美味しさに驚いたことがある。第二種専業農家にはこの影響はあるのだろうが、専業農家なら打開策は講じられると思う。
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