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合計特殊出生率が政治の成果指標であるということをこのブログで書いたことがある。昨年1年間の出生数は105万人で、このところ増加傾向にあった特殊出生率は1.39と横ばいになった。第二次ベビーブーマーの高齢出産が頭打ちになったためだ。

昨年1年間の死亡数は125万人で、1年間に20万人も人口が減少したことになる。単純計算をすると、人口減だけでGDPを0.2%引き下げることになる。人口の増減は経済活動の基盤となるだけに、人口減少に歯止めをかけるというのは“待ったなし”だ。

子どもを産みたいとする人が全て出産すると、特殊出生率は1.7を超えるという調査結果がある。1.7と1.39のギャップは、人々の特殊事情であり、政策の進め方次第で埋められるものであり、もっと積極的な施策ができれば産みたいとする人の割合も増える可能性がある。

社会保障の穴埋めではなく、出生率向上のための施策に多くを振り向けるのであれば、消費税増税を容認する人はもっと増えるのではないだろうか。

社会保障政策に関して、政党間の基本理念に大きな違いがある。民主党は「公助」を基本にしているのに対して、自民党は「自助」を掲げている。最近芸能人の親族が生活補助を受けている問題がワイドショーを賑わしているが、これも自助の立場に立つ自民党議員の仕掛けが発端にあるらしい。

子ども手当か児童手当かというのも、公助と自助の考え方の違いによるものだ。日本の人口は、70年代までは年間100万人のペースで増加していたが、80年代に入って急ブレーキがかかって年間60万人台になり、90年代は30万人で0年代はほぼ0になってしまった。

10年間で30万人ずつ減っており、このままスライドすると10年代は年間30万人の減少になるだろう。環境変化にもかかわらず、あくまでも自助を押し通した結果の人口減であると思う。

右肩上がりの時代は、政治はできるだけ干渉せずに自助を促すだけでよいと思うのだが、右肩下がりの時代には自助を重視しすぎると坂道を転げ落ちるスピードが加速することになりかねない。

昨夜のクローズアップ現代によると、アメリカの大統領選挙の争点は「自由」か「平等」かになっているらしい。日本では「公助」か「自助」か争点になってもよいと思うのだが。

コウジョとパソコンで入力すると、公序や控除、工女、高女、皇女、孝女などの文字が出てくるのに、公助という文字は見当たらない。それだけ、公助という概念が一般的ではないということだ。パソコンで公助という文字に変換される時が来るのだろうか。
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