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全国一斉学力テストの結果が公表された。「活用力」の不足が指摘されている。応用力という言葉を聴いたことはあるが、活用力という言葉はあまり耳慣れない言葉だ。

早速図書館の日本国語大辞典で調べてみると、活用力という言葉は掲載されておらず、活用とは「いかして用いること。いかしてはたらかせること。利用すること」とされている。また2番目の項目として、「文法で動詞などがその用法に従って組織的に語形を変化させること」とされている。

ちなみに応用を調べてみると、本来は仏教用語で「仏が衆生を救うために、それぞれに応じた働きをあらわすこと」が語意であり、さらに「原理や知識を他の場合や、実際的な事柄にあてはめて活用すること」としている。

どちらも同じような意味をさしているが、古来から使われていたのは「応用」の方であり、「応用力」という言葉の方がしっくりくるように思われる。

今回のテストでは、基礎知識を問う問題と、活用力を測定する問題とに分かれて出題され、前者は平均で80%を超える正答率があり、後者は60%の正答率(中学の国語だけは70%)に分けられる。

正答率80%とは常識を問う問題と見ることができる。都道府県別の公開されているデータを見ると、基礎知識が高い得点を挙げているところは、活用力の項目でも高い点となっており、基礎知識の修得が重要であることが改めて認識させられる。

問題は、この常識の水準をいかに高めるのかであろう。簡単な間は基礎知識としてすぐに自分のものになってくるのだが、レベルが上がるにつれて基礎知識になりきれないことが多くなる。級位を設けてステップアップの目安を作るというのも一つの方策だと思うのだがどうだろうか。

都道府県別にデータが開示されると、すぐに地域格差の問題がクローズアップされる。確かに、沖縄、北海道、高知、大阪の教育関係者はショックを受けたに違いない。大阪の地盤沈下は教育面にも出てきているのは、大阪生まれの自分にとっても暗い気持ちになる。

地域格差は都会と地方との格差で論じられることが多いのだが、今回のテストでは地方が負け組みかというと必ずしもそうではない。ざっとデータを眺めた感じでは、日本海側の地域が健闘しており、ベスト10を出すと日本海に面した県に集中するような気がする。

日本海側で平均を下回っているのは、福岡県ぐらいである。一方では、この集計は公立だけの集計であり私学が含まれていない。都市部が低い点数なのは、私学抜きのせいであるかもしれないが、そうだとすると都市部の公立の低迷が余計に気になってくる。

地域経済ワースト1の秋田県が、学力NO.1(集計していないがたぶんそうなる)というのは、ほっとした気になる。教育というのは「地域力」のメジャーの一つであると私は思っている。テスト結果についてはもう少し分析し、この欄に掲載する。
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