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昨日の日本シリーズ第3戦は、初回に大量点が入り一方的な試合となった。敵地で1勝した勢いがホームで倍増した感じで、このまま3連勝しそうな気がする。ただしそのためには、今日の試合が大きな意味を持つ。

絶対的なエースのダルビッシュはおそらく明日の登板だろうが、1勝3敗で後がない状況ではさすがにプレッシャーは大きく、本来の力を発揮するのは難しいだろう。逆に2勝2敗での登板になるとドラゴンズの方にプレッシャーが大きくなり、苦しくなる。日本シリーズは偶数の試合の重要性が昔から言われているが、今年もぴったり符合するようだ。

昨日の試合で印象に残ったのは、初回のファイターズの攻撃で1塁にランナーを置いて3番稲葉が痛烈な当たりをはなったが、荒木が華麗に捌いてダブルプレーにとった場面と、2回のファイターズの反撃を「攻めの守り」で1点に抑えたシーンである。

前者はドラゴンズの売りの鉄壁の二遊間ではあるが、ヒット性の打球を正面で簡単に捌く守備位置の妙に、このチームのスカウティングの能力の高さを感じさせられる。

2回にファイターズが1点を返しなお1死ランナー3塁の場面で、セオリーなら点差を考えて守備位置は普段どおりのヒットを防ぐための隊形となる。ところが、落合いは前身守備を選択し、注文どおり内野ゴロでホームに返球しランナーの生還を許さなかった。

点をとった後にすぐに反撃すると勢いが出てくるものである。これを1点もやらないという強い態度を示すことで、ゲームの主導権いやこのシリーズ全体の主導権を握った見事な采配だったと思う。

2~3日前のこの欄で、落合は「三つの目」に長けた監督だと記したが、昨夜のゲームではこの真価が発揮されたと思う。特にこの場面は潮目を読む「魚の目」の力がいかんなく示されたように思う。

ファイターズの打線に元気がない(これを造ったのは緒戦の川上の力投)ので、今日の試合も序盤にドラゴンズが3点くらい取ると勝負ありのような気がする。

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