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今年の1~6月のビール系飲料のシェアで、サントリーがサッポロを上回り、最下位の座を脱出した。春先に原料高騰の影響で各社は値上げに踏み切ったが、サントリーは唯一値上げをしなかったことが大きな要因と言われている。

「やってみなはれ」の一言で参入したビール市場で、50年近く経過してようやく、3位になったのである。サントリーではお祝いをしているのではないだろうか。

ビール系飲料の出荷量は2000年代に入って減り続けている。衣料品やスーパーの売上同様に、消費ダウンを示す典型的な商品と見ることができる。

15歳から64歳までの生産年齢人口は95年がピークであり、それ以降は既に減少が始まっている。総人口の減少は2005年からであり、それより10年も早く消費の中心となるべき層の人口が減り始めているのである。

これがビール系飲料の低迷の大きな要因であり、発泡酒や第三のビールなどへの移行による単価ダウンも加わって、酒の小売店に大きな打撃を与えた。酒屋は免許制度に守られ長らく14万店の規模で推移していたのだが、90年代半ばから急速に減り始め、今では5万店を切って半分以下になっている。

発泡酒と第三のビールの出荷量は、合計するとビールの出荷量に並ぶところまで来ている。安価な商品を売るとなると、スーパーの独壇場になる。我が家も20年前は酒屋に配達してもらっていたのだが、ディスカウンターの出現で切り替わり、さらにこの数年は近くのスーパーに切り替わった。

スーパーでの店頭販売では、価格が大きな決め手となる。春先までは6缶で600円を切る価格の物も多く見られたが、値上げ以降は700円台のものが多く、サントリーの価格の安さが際立っている。最近買っているのは「ジョッキ生」である。

気分転換にたまに高級品も買うのだが、昔は「エビス」だったのが最近では「プレミアム・モルツ」である。サントリーがサッポロを追い抜くことに貢献していることになる。

日経の15面に載っている記事を見ると、上半期の出荷量が大きく減り続けているのに対して、下半期はそれほど大きな減少にはなっていない。昔はビールは夏場の飲料だったのだが、冬場にも飲まれるようになって市場を伸ばしてきた。

それが再び夏場の飲料になったのだろうか。今年も猛暑が予想され、季節の格差が一段と大きくなるのだろうか。
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