森福にMVPを

今年の日本シリーズはいつもにもまして、接戦が多い。一昨日の試合が2点差ついた以外は全て1点差であり、しかもどれも2－1というロースコアのゲームである。両チームの投手力が安定していること、広いドーム球場と統一球の採用によってホームランが出にくいことなどがその要因であろう。

昨日の試合は、序盤にホークスが先制し、2回にも絶好のチャンスを迎えたのだが、ここで追加点が取れなかったために、流れがドラゴンズの方に変わった。4回、5回と3者凡退を続けると逆にドラゴンズの方が押せ押せムードになり、1点を返した後に、6回には無死満塁まで追い詰めた。

最低でも同点、あわよくば大量点という状況になってしまった。このピンチにリリーフし、ぴしゃりと抑え得点を与えなかった森福はこのままホークスが日本シリーズを制覇すると、MVPに値する投球だったと思う。

MVPは決勝打を打ったバッターが選ばれることが多く、投手なら稲尾や杉浦のように4勝全てを上げるような獅子奮迅の活躍がなければ選ばれることはない。せいぜい抑え投手がその候補になるくらいで、中継に陽のあたることはない。

しかし、短期決戦ではモメンタムが勝敗の行方を左右することが多く、ドラゴンズに傾きかけた流れを断ち切った投球は称賛に値するものだと思う。これでがぜんホークスが優位に立ち、この勢いで4連勝するのではないだろうか。

今日はボジョレーの解禁日である。昨日のような4時間近い試合になると、1本空いてしまうかもしれない。