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政治に対する信頼がどこの国でも揺らいでいるが、最近の動きで面白い二つのケースがある。

一つ目はイタリアである。国債の値下がり(利率アップ)でイタリアのベルルスコーニが退陣に追い込まれ、後任は政治家が一切いない内閣が成立した。危機の時代に、有権者の目を意識しすぎる政治家では役に立たないという理由からで、それに抗うことのできない所に異常さを感じる。

もう一つはトリガー条項が用いられているアメリカである。アメリカでも、超党派による財政政策減の委員会で合意を断念することを発表した。大統領選挙を来年に控え、お互いの主張を譲ることができず、当然の結果かもしれない。

面白いのは、アメリカにはトリガー条項があることだ。協議がまとまらない時は、自動的に9年間予算が一律カットされることになる。イタリアのように内閣から政治家をすべて排除するのではなく、トリガー条項という仕組みで、無責任な政治に対する安全弁が用意されているわけだ。

膨大な借金を抱える日本の国債が1%の金利で安定的に消化されているのは、1500兆円近くの個人金融資産があるためだ。しかし、負債を差し引くと個人金融資産は110兆円ということなので、年間40兆円の国債発行とすると、後3年しか余裕がないことになっている。

しかし、この現実に目をつぶり、「この景気の状況で増税はできない」「増税の前にやるべきことがある」と、声高に叫ぶ政治家の方が多いように思う。2000年代に入ってからの決まり文句である。

無責任な政治家に対して、全員退場のイタリア型かトリガー条項を定めるアメリカが高の選択を迫る国民運動がそろそろ動きだしてもよさそうなのだが…
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