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ゴールポストやクロスバーは“12人目の選手”と呼ばれるが、今朝の試合はまさにこの選手が大活躍だった。今大会のなでしこは試合ごとにヒロインが替わっており、アメリカとの試合で誰がこのヒロインになるか注目していたが、まさかクロスバーとは思わなかった。

冗談はさておき、やはりアメリカは強かった。中盤のプレッシャーが強く、日本の得意なパスサッカーをあまりさせてもらえず、“得点の匂い”がしなかった中で先制された時は、もう駄目だと思ってしまったほどだ。

これを追いついて延長にもつれ込んだ時は、これで十分よくやったという気持ちで私的には満足だった。もう一度リードを許した時は、観念したのだが再び追いついてしまった。すぐにあきらめの気持ちがわいてくる自分の情けなさが、さらに強くなったのはPK戦にもつれ込んだ時だ。

PK戦では、中国で行われたアジア杯での川口の神がかり的セーブでの勝利はあるものの、この間のW杯やシドニー五輪での事を先に想い出してしまい、あまり期待をせずに成り行きを見守っていた。

最初のキックをキーパーが好セーブし、遠藤のコロコロPKを思わせるような宮間の落ち着いたPKで一挙に流れが日本にやってきて、アメリカ選手のプレッシャーが大きくなってしまい、連続して失敗し、私が将来のキャプテンとして注目していた熊谷がとどめのゴールを決めた。

後になって考えると、2度追いついたチームと、2度も逃げ切れなかった側との精神面の差が出たPK戦だったと思う。勝ち切れなかったものと、負けなかったものとの差を考えると、もう少し期待を持ってPK戦を見ることができたはずで、見立ての甘さを痛感させられた。

優勝したのは喜ばしいのだが、試合の最中の自分自身の心の揺れが恥ずかしく、複雑な気分になってしまった試合観戦だった。

ところで、日本サッカー協会の報奨金だが、男子では3500万円なのに対して、女子は150万円と20倍以上の差がある。優勝国に与えられる賞金は男子の1000万ドルに対して、女子は100万ドルで1/10である。

協会では増額を検討しているらしいが、どれだけご褒美を積み増すか注目だ。500万円の価値はあると思うのだが…

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