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一昨日から高校野球が始まった。昨年の早実の斉藤は、大会前にはほとんど話題にもならなかったが、勝ち進んでいくうちに、青いハンカチも手伝ってあっという間のニューヒーロー誕生となった。

今年もどんな選手が大化けするのか楽しみである。そういう意味で、昨日の第三試合の仙台育英と智弁和歌山との対決は見ものであった。仙台育英の佐藤投手は、選抜大会にも出場し、優勝した静岡の常葉学園を相手に14個の三振を奪いながら、1回戦で惜敗している。

昨日も強打の智弁和歌山相手に、失投をホームランされたが、17個の三振を奪って快勝した。直球も速いが、スライダーの切れが抜群で、今すぐプロに入っても十分やれると思う。楽天としては、ぜひとも獲得したい選手だろう。

超高校級(懐かしい表現だ)の投手が居ても、確実に勝ちあがれないのが野球というスポーツである。実力の劣るチームでも勝つチャンスが十分あるのである。

例えば、プロ野球とサッカーのJリーグを比較するとこのことがはっきりする。現在プロ野球の首位のチームはセリーグが巨人、パリーグが日ハムであるが、その勝率は巨人が5割7分、ハムが5割6分である。少し勝ち越しているだけで、大相撲では8勝7敗の成績に近い。9勝6敗ペースだと断トツの優勝ということになる。

サッカーでは首位のガンバは12勝1敗、2位の浦和が11勝1敗である。ほとんど負けることがないチームが存在していることになる。サッカーや相撲に比べていかに野球が勝ち続けることが難しいか分かるであろう。

言い換えると、野球には番狂わせはないということである。好投手の佐藤を擁する仙台育英とはいえ、優勝できる確率は3割もないのではないだろうか。その意味では、大本命で春・夏を連覇した松坂は偉大だったといえる。夏の大会の決勝ではノーヒット・ノーランで締めくくりをするというおまけまでつけたのだから。

100億円の値段が付く選手しか、このような快挙は達成できないのだろう。佐藤が優勝投手に輝くことができれば、10億円くらいの値打ちととりあえず評価しよう。
金の卵を見つけるのが高校野球の楽しみの一つだ。
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