社長のブログです
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鴨鍋についての話をもう少し。子供の頃、近くの山田池に飛来する鴨を手に入れて、親父が捌くのが恒例となっていた。毛をむしるのと、骨をナタと出刃包丁で1時間くらい叩いて“たたき”を造るのが子供の仕事であった。
20年ほど前までは、有楽町の阪急の食品売り場で“たたき”を売っていたが、今では全く手に入らない。10数年前に伊勢原だったか厚木だったか忘れたが、料理屋で竹筒を半分にしたものに入れられたものを食べたのが最後になってしまった。 最近では本鴨も店頭で見ることはなく、かろうじて合鴨をたまに見かけるだけである。チャンスがあれば、一羽丸ごと買ってきて自分で捌いて“たたき”に挑戦したいものだが… 合鴨を利用した鍋料理は2種類ある。一つは一昨日もそうだったのだが、はりはり鍋風にするものである。子供の頃は、クジラの皮である“コロ”を用いていたのだが、今では関東では手に入らず、大阪から取り寄せると1万円以上かかるために、私にとっては「幻のコロ」となってしまった。 コロのかわりに、合鴨を入れるのである。ほんだしと薄口醤油、日本酒で出汁をつくり、そこに水菜、ちくわ、こんにゃくを入れるだけで極めてシンプルである。 一度、鶏のささ身を用いて試してみたが、これは全く駄目だった。合鴨の脂が出汁に旨みを加えるのであり、ヘルシーなささ身では淡白に過ぎるのである。 もう一つの鴨鍋は少し手間がかかる。すき焼き風にして食べるのだが、大根を入れるのがキモになる。大根が鴨の旨みを吸い取って非常に美味になる。鴨ねぎではなく、鴨と相性がよいのは大根であると私は思う。京大根が一番よいのだが、最近では大根で代用している。 この大根を直接鍋に入れるのではなく、15分ほど湯がいておく必要がある。直接入れてみたことがあるが、鴨の旨みを吸い取る力が弱く駄目だった。一手間を惜しんではいけないのである。 大晦日はフグ、元日は鴨というのが長年続いている私の習慣である。今年も、30日か31日にデパ地下めぐりをしてささやかな贅沢をしようと思う。 PR |
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