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ゴタゴタの末に、代表選挙でのガチンコ対決が決定した。トロイカ+1による談合政治を首相が拒否したためで、首相が「技あり一本」を決めた形だ。これで男を下げたのが、仲介役に勝手に名乗りを上げ、ゴタゴタを大きくした前首相だ。

小沢支持を表明することで、ガチンコ対決を導き、今度は党内分裂を危惧して、慌てて整に乗り出すという節度のない行動である。このような行動を、火を点けておいて次には消しに回るという「マッチ・ポンプ」と呼ぶが、人として絶対にやってはならない行為であり、結果がどうなるにせよ政治生命は尽きたと思う。

ところで、「トロイカ+1」という言葉の意味だが、拒否権付きの最高意思決定機関だったらしい。小姑、大舅に囲まれて、店を任せられた婿としてはやっていられず、拒否をするのは当たり前だ。小さな集団ならいざ知らず、400人を超える議員集団を統治する形としては最悪だろう。

ここまでのゴタゴタを見ていて改めて感じるのは、権力=人事権ということだ。気に入らない官房長官と幹事長の更迭を求めたのがことの発端であり、最高権力者が人事権を手放さなかったのが、それならばという対決になったのだろう。

30年以上前に、ある業界の有力企業を4社並べて、10年間の組織の変遷を研究したことがある。驚いたのは、どの会社も毎年必ず組織を変えていることだった。

環境の変化に対応してというのは表向きの話で、権力の座についたものにとって、「人事権」というものを盾にとって自在に駒を動かせるという罠にはまってしまったのだと思う。権力者にとって人事権というのは、猫にとってのマタタビのような魅惑的なものではないだろうか。

拒否権付き最高意思決定機関というのは、当然人事権にもおよび、この立場で首相の座に着くのは、操り人形でしかなく受け容れられないのは当然の結果だろう。

公約という言葉が、マニフェストに置き換わり、最近ではアジェンダなるわけのわからない言葉まで登場している。どちらにしても国民に対する約束なのだろうが、掲げられている政策のすべてに賛同している人は少ないと思う。

それなのに、なんでもマニフェストにあるからと強引に進めるのは、無理があるように思う。「マニフェスト原理主義者」と「マニフェスト修正主義者」の戦いでもある今回の代表選は、どのような主張が出され、どのような決着が図られるのか、“注意深く見守って”いきたい。
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