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通常国会が開会されて1週間以上が経過したが、野党は対決色を強め、何も国会では決まらない状況が見えてきた。ねじれ国会のためだ。

ねじれは90年代の終わりから始まり、当時は自由党や公明党との連立でしのぎ切ったが、07年以降はねじれが常態化しつつある。衆議院選挙は振幅の大きい小選挙区制度であり、有権者の「勝たせすぎた反省」からかその間の参議院選挙では野党が議席を大きく伸ばすというのが、これまでの流れである。

衆議院の優位性が憲法により保たれているのだが、その優位性を効果的に発揮するためには2/3の議席が必要であり、過半数を制しても2/3に届かなければ、総理大臣を選ぶことはできても重要法案を決定することはできなくなる。

衆議院は解散によって有権者の意思を問うことができるのだが、参議院には解散がなく、しかも任期が6年と長いので、一旦ねじれが始まると最低でも3年、多くの場合は6年間ねじれが続くことになる。これを解消するには、衆議院での議席交代しかない。民主党はこれを達成したのだが、これも束の間であり参議院選挙で大敗し、ねじれに戻ってしまった。

見方によっては参議院の方に優位性があるかもしれない。その一つとして、この10数年を見ると参議院のボスの発言力が重みを増しているように感じられるのだ。

ねじれ状態を克服する手段としては、内閣支持率を上げることに尽きる。支持率が高ければ、野党の攻勢の矛先を鈍らせることができるからだ。自民党政権の末期には民主党の支持率がダブル・スコアにまで跳ね上がり、政権は抗うことはできなかったが、現状では自民党の支持率も伸び悩んでおり、チャンスはまだ微かに残っていると思う。

このところの地方選挙の結果を見ると、現状の支持率とは随分かけ離れているようにも見えるのだが…

目安としては40%を超えることだ。そのためには、小沢問題で決着を付けること(法的に問題はなくとも、政党助成金を使ってカネをばらまき、子分を育成するのは道義的に許せないことだ)、マニフェストの見直し(何度も述べているが、有権者はマニフェストの全てに渡って賛同しているのではない)、消費税の増税(有権者の多くはやむを得ないことだ思っており、その時にどのようなメッセージが出されるのかに注目している)の3点が重要だと思う。

これを実現するには強力なリーダーシップが必要だが、支持率が政権崩壊の寸前で留まっている今が正念場ではないだろうか。
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