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12月に入ってばかりなのに、エアコンはフル稼働状態が続いている。布団の中からエアコンのリモコンを操作し、部屋が十分暖まったころ合いを見計らってようやく起き上がるという怠惰な始動がこの数日続いている。

昨日は、エアコンのスイッチとともに、テレビのスイッチも入れて布団の温もりを楽しんでいたら、テロップに中央自動車道の事故の一報が流れていた。「たまたま現場を通りかかった記者からの報告」ということだったのだが、今朝のニュースを見ていると記者の乗用車が映されていたが右半分が大破しており、この記者も被害を受けていたようで、“たまたま”九死に一生を得たということなのだろう。

笹子トンネルというのは渋滞の名所で、休日にはラジオの交通情報で頻繁に飛び出す地域であり、たまたま朝早くだったので3台しか被害にあわなかったが、時間がずれていればもっと被害は大きくなったのだろう。

首都高の仕事をしていた時に、トンネル工事の現場を見学させてもらった事がある。中央環状線の新宿のトンネルの工事現場で、シールド工法で掘り進め、バームクーヘンのようにカットされたコンクリートを掘った後に貼りつけるというものだった。

コンクリートの厚さは30㎝ほどあり、しっかり組み合わせたうえでボルトで固定する方法であったように記憶している。ドーバー海峡のトンネルや、アクアラインでも使用している方法で、安全性は高いと説明を受け、何となく納得していた。

昨日の事故は、それとは違う工法のようで、バームクーヘンを組み合わせるのではなく、天井をぶら下げる方法をとり、ボルトが抜けたことによる事故とのことである。抜けた要因は金属疲労や腐食などによる劣化だと思っていたが(壁に取り付けたねじが緩むことは身近で何度も経験している)、今朝のニュースでは車の振動によるものも考えられるとのことである。

高速道路の無料化や、民営化について議論すると首都高のスタッフが反論する最初に出てくる言葉は、「メンテナンスをどうするのか」ということだった。昨日の事故で最初にこの言葉を想い出してしまった。

最近気になることの一つは、普通の道路(県や市町村が管理する道路)を歩いて躓くことがたまにあることだ。自分の老化によるものと思っていたが、道路の老化による小さな凸凹のせいでもある。

自治体は90年代にホールや博物館など公共施設をたくさん作ったが、維持費の捻出に四苦八苦している。それと同じように財政難のため、道路のメンテナンスにお金をかけられず、凸凹が多いのだろう。社会インフラというのは作っただけではだめで、メンテナンス経費を見込まなければ機能しなくなるということか。

自民党と公明党は今度の選挙で、100兆円の国土強靭化政策を打ち出している。この中身が国土のメンテナンスをするのか、“資産”を作り続けるのかでは大分意味が違うような気がする。公約の中身を精査する必要がありそうだ。


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