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締め切りに追われながら、大統領選挙の開票速報を見ている。接戦が続いているが、何とかオバマが再選を果たしそうだ。獲得選挙人数数では大きな差がつきそうだが、得票率ではそれほど大きな差にはならないと思うし、議会ではねじれ現象が続きそうで、妥協の政治を余儀なくされそうだ。

ねじれ現象というのは、過半数をわずかでも超えると権力を握ることができるという民主主義制度において、その欠陥を補うための“民主主義の神の見えざる手”のなせる技なのかもしれない。

ところで、民主主義の制度を冒涜するような暴挙を文部科学大臣がやらかしたと思う。大学新設を申請した3つの大学について、審議会からの答申を受けたにもかかわらず、大臣の権限で握りつぶしてしまった。基準(妥当なものかは別にして)を示して、それに適合するような努力をしたものをむげに却下するというのは随分ひどい話である。

しかし、もっとひどいと思うのは、訴訟も辞せずという猛反発を受けて、大臣は「1カ月以内に新た基準を設けて3大学も新たに審査する」ということを発表したことだ。

設置基準というのは、設置の理念を“見える化”したものだと私は思う。理念を示さずに設置基準を有識者を集めて1カ月で作るというのは随分乱暴だし、理念があったとしてもそれが受け容れられるための手続き・議論が必要だろう。泥縄式設置基準にどれだけ価値があるのか疑問だ。

それに新たな基準で設置の認可を決めるのは、基準を示してから何年か経過してからだと思う。旧基準で申請した大学について、新基準で審査するというのはおかしな話で、論理的矛盾がある。

こんな見識のない政治家に、大事な文部科学行政を任せるというのは、任命責任を免れまい。野田総理は人事下手だが、何回同じことを繰り返すのだろうか。エレベータの事故を起こした会社は数年前にも事故を起こしているし、万里の長城で3人の死亡者を出したツアー会社は、大雪山で8人もの死亡事故を起こしたところだ。

何度も繰り返すということか。

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