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今日の日経の1面に、合成樹脂の値上げの記事が報じられている。ゴミ袋に用いられるポリエチレン、菓子袋用のポリプロピレン、惣菜の容器に使うポリスチレンなどの値上げで、2004年から数えて12回目、2.5倍になったとしている。

私の目を引いたのは、第2次オイルショックの影響が残る、1983年以来の高値という文言である。2.5倍も値上がりしてようやく25年前の水準に戻ったということは、この間の価格がむしろ安すぎたと言えなくもない。

現在高騰が続いている原油や食料の価格は、90年代から2000年の初頭までは低迷を続けていた。安値で安定していたのである。これが、中国やインドなど人口10億を超える国の人々が、“普通”の生活をし始めた途端に需給バランスが崩れ、値上がりが始まったのだと思う。

価格が上昇局面に入り、供給量も制約されだすと、買い手の側は過剰発注の傾向があると思う。第1次オイルショックの時のトイレットペーパー騒動がその典型で、最近ではバターが品薄になったのがきっかけで、買いだめに走る消費者が続出し、品薄に拍車をかけているのも同じような現象だ。

この数年の世界的な物価の高騰は、サミット8カ国だけで世界が動く時代がおわり、BRICsをはじめとする新興国が新たなメンバーに入ったために、秩序のパラダイムシフトが起こっているためだと思う。いわばリセットのスイッチ手を触れた状態になっているのだと思う。

過去のオイルショックも同じようなリセットだったといえよう。家計調査データを時系列に並べるとそのことがよくわかる。

最初のオイルショックの時、私は社会人3年目であった。昭和48年の4月の給料は6万3千円であった。それが諸物価高騰への配慮から9月に一挙に9万6千円まで昇給した。5割以上の昇給があり、これで何とかリセットに対応できたのである。

今回もリセットが起きるとしても、期中に給与改定ができるような状況にはほど遠い状態であることは間違いない。かなりダメージの残るリセットである。
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