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アメリカの大統領選挙はオバマの圧勝で終わった。どこかの調査機関が実施した世論調査では、「大統領選挙に関心がある」とする人が80%を超え、本家のアメリカをも凌ぐという日本においてはもちろんトップニュースである。

大統領指名選挙への選挙人獲得数では、マケインの162人に対して349人を獲得し、ダブルスコアの大勝利である。ただし、得票率ではオバマは52%にすぎず、マケインの46%とかなり接戦になっている。

直近の世論調査では、10ポイント程度の開きがあったので、かなり接近したことになる。黒人の首長を嫌う「ブローディ効果」が表れたということか。出口調査の速報では、白人の得票率ではマケインが60%近くを獲得していたようである。

4%の僅差がダブルスコアの大差になるのは、大統領選挙の仕組みが、人口に応じて割り当てられた選挙人の獲得にあり、州ごとに「総取り」できることによるものである。51:49が100:0に変換されるため、少しの勝ちの積み重ねが、大差になってしまうのである。

たしかケネディがニクソンに勝利した時に、得票率はニクソンの方が上回っており、不思議な制度だと子供心に思ったことを記憶している。

この不思議な選挙制度がはじめられたのは、「無知な大衆には大統領を選ぶことができず、大衆から認められた有識者によって大統領を選ぶべき」という考えからである。民主主義の本家を標榜する国にしては、おかしな理屈であると思う。

51:49が100:0になる仕組みでは、戦略が重要であり、どこで勝負をかけるかが勝負を分けることになる。情勢を分析し、有効な手立てを考えるという、「戦略の力」が磨かれることになる。日本との差はここにあると思う。

そもそも、51:49が100:0になる仕組みは日本人のメンタリティにはあわないもので、51:49はそれなりに緊張感をもたらすものとなる。

51:49が100:0になる仕組みが、アメリカのダイナミズムの源泉にあるようで、長所でもあり短所でもある。昨今の金融危機も根っ子は同じようなところにあると思うのだがどうだろうか。
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