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一人の若手有望選手の登録問題で、陸上競技の世界でちょっとした騒動が起きている。小林裕梨子選手は、兵庫県の須磨学園高校時代に、1500Mの日本記録を2度塗り替え、昨年末にもアジア大会でも銀メダルを獲得するなど、久しぶりに現れた女子中距離のホープとして注目されている選手である。

当初は岡山大学に進学し、練習拠点はこれまでの須磨学園において活動を続けるという報道がなされていたが、急遽豊田自動織機に入社し、社内留学制度を活用して岡山大学に進み、練習は高橋や有森を育てた豊田の小出監督が作成したメニューを須磨学園で実践するということになっている。

随分ややこしい話である。この方法について、日本実業団連合からクレームがつき、小林選手は実業団連合が主催する試合に出場できなくなったというものである。最近陸上の世界では駅伝が突出した人気種目となっており、実業団駅伝に出場できなくなったわけだ。

この背景には二つのことが考えられる。一つは、上述の駅伝がらみであり、もう一つは選手育成の問題である。高校時代に活躍した選手が大学や社会人に進んで全く伸びない選手が数多くいる。環境の変化(一人暮らしを始める)、指導方法や練習方法の変化に上手く適応できず、高校時代のパフォーマンスを発揮できないのである。

この問題へのチャレンジとして10数年前に陸連では育成選手制度を採用したことがある。若手有望選手を2人ピックアップし、大学や企業へ就職させず企業の支援を仰いで専任コーチを置き英才教育を施したのである。2人ともオリンピックに出場し、市橋選手は世界選手権でも銀メダルを獲得するという一応の成果は上げている。

しかし、その後は伸び悩み、市橋選手などはシドニー以後競技活動を止めてしまっている。2人に続く育成選手制度の話が聞こえないことを見ると、陸連としては失敗という結論を出したのかもしれない。2人の選手だけで止めてしまったのは残念な気がする。2人の選手で上手く行ったことや、失敗したことをもとに新たな育成メニューを考えることができたはずで、選抜の仕方や指導方法についてノウハウが高まってゆくのではないだろうか。

今回の小林選手の試みも、新たな選手育成のモデルケースとなるものであり、大人の世界から横槍が入ったのは残念でならない。指導者は教えるだけでなく、相手からも教わるものであり、これが指導のレベルアップにもつながる。今回のようなコーチの連携ができれば、底辺拡大につながると思うのだが。

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