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昨日梅雨明け宣言が発表されたが、午後から夏バテ気味の体調は回復した。酸っぱくなった夏の甘酒が効いたのか、梅雨明け宣言の効果(?)か、湿度が下がりからっとした暑さになったことがよかったのかはわからない。このペースで上手に夏を乗り切りたいものだ。

政府の行っているエネルギー政策に関する意見聴取会に、電力会社の社員が出席して発言したことが問題となっている。抽選で3つの意見に3人ずつ発言できるのだが、東北と中部でいずれも電力会社の社員が当たりくじを引いたらしい。

発言に応募した人は数百人とのことであるが、7割は“原発0”を目指す人たちであり、原発を現状維持に近い意見の人は最も少ないだろう。50人を切っているのかもしれない。そんな中だから、電力会社の社員が20人も応募すれば抽選をくぐり抜けるのは簡単な話だ。電力会社の社員が抜けると、現状維持派がどれだけ出てくるのか気になるところだ。

というのも、昨日のニュースの中で、世田谷区が大量発注することで太陽光パネルのコストを引き下げるという話題が取り上げられていたからだ。応募者には、世田谷区と東京都から補助が出るため設置費用が1/2になり、余剰電力の売却を行うことで6年間で元が取れるらしい。

自然エネルギーの普及を促進するために、税金を使って助成を行うというのはよく見られる措置であり、脱原発を目指すためには欠かせないものだということは理解できる。

しかし、屋根に太陽光パネルを設置できるのは持ち家に限定され、家は持っていても生活に余裕のない人はいくら助成があっても設置費用は賄えないだろう。将来電気料金が大幅に上がった時に、太陽光パネルのある家に住む人はダメージが全くないのに対して、貧しい人は電気料金の高騰に四苦八苦するのである。

税には所得の再配分機能があるが、太陽光パネルへの助成制度はこれとは逆行する施策ではないだろうか。貧富の格差が問題になっているご時世の中で、貧富の格差を助長するような税の使い方に疑問が残る。

気持ちの上では原発をなくしたいのだが、脱原発を進めるためには知恵を絞る必要がありそうだ。
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連日の暑さで、早くも夏バテの兆しが出ている。この暑さの厄介な理由は湿気が多いことで、身体にまとわりつくような暑さが嫌だ。原因はまだ梅雨があけず、梅雨前線が居座っているためだ。

天気図を見ると、梅雨前線はへの字をさかさまにしたような形で日本海上にあり、両端がかかる九州北部と東北北部で大雨が降り、その他の地域は前線に向かって吹く南風のために高温になっているのだが、地域によって暑さの性質が違うように思う。太平洋側は湿気をたっぷり含んでいるが、日本海側はフェーン現象で乾いた空気になっている。

昨年中国の広州を訪れた時も、湿気の多い暑さに体が参った記憶があるが、広州も海に近いエリアのためだ。行徳も東京湾はすぐそばで、気温は30度を少し超えた位だが、湿気たっぷりの嫌な暑さがこの数日続いている。

先日、人形町で打ち合わせをした帰りに立ち寄った京都の漬物店で、“夏の甘酒”という言葉を聞いた。甘酒は冬の飲み物だというイメージがあるのだが、昔の人は夏場に好んで甘酒を飲んでいたらしい。

「古人曰く」という言葉が大好きだから、早速買ってみた。普段私が冬場に飲んでいるのは、「大吟醸の酒粕」で作った甘酒だが、これは麹で発酵させた“本物”の甘酒である。暑くなり出した一昨日、冷蔵庫から引っ張り出して水を加えて作って見た。

自然な甘さで飲みやすく、夏バテに効果がありそうな栄養ドリンクのような感じがした。最初の日は温かいものを飲んだが、2日目は常温のものにした。ようするに、鍋に入れたままほったらかしにしたものである。昨日は何事もなく、ゴクゴクやったが、今朝は少し味が変わっていた。酸っぱくなっていたのである。

常温のままで放置したことにより、麹菌が活動を始めたのだろう。少し気持ちが悪かったが、構わず飲むことにした。ゴクゴクとはいかず、チビチビ飲んだのだが、これが吉と出るのか凶と出るのか…

電気料金の請求書を見ると、7月12日までの使用量は前年同月比で39%減になっている。検針の期間が2日少ないことや、出張で7日間出かけたこともあるがそれでも日数による単純計算では、30%減となるところだ。

昨年は節電について連日のように報道されており、不精な私でも節電には気を配っていたつもりだ。そんな気を配っていた昨年よりも、はるかに電力使用量が減っていたというのは驚きだ。それだけ、これまでは温度が低かったというところだろう。

何時もならこの時期の定番メニューの一つはうなぎだが、食指はあまり動かない。気温が低いだけでなく値段が高いためで、去年までなら中国産なら500円だったものが、今年は1000円を超えている。国産のものなら1000円オーバーで、しかも貧弱なものしかない。姿、形が立派なものは2000円を超える。

スーパーの店頭でこれだから、専門店で肝吸いと一緒に食べるとなると3000円を超えるのではないだろうか。去年、ウナギの研究で著名な方にお目にかかったことがある。

ウナギの産卵場所が特定されたことで、「ウナギを安く食べられるようになりますか」と軽く尋ねたところ、「ウナギは専門店で高いお金を出して食べるものですよ」と一喝されたことがある。資源の事を考えると、ウナギはスーパーで気軽に買える商品ではなくなったのかもしれない。

今朝のNHKの「サキドリ」で“淀川ウナギ”が話題になっていた。淀川で、ウナギが大量にとれるとのことで、天然のブランドウナギとして淀川の漁協(そんなものがあるとは知らなかったが)が売り出そうとしたということである。

子どもの頃、淀川の堤防の下に住んでいたのでよく淀川に出かけた。川べりでタコ糸がたまに置かれていたことがある。川の淵にタコ糸を長くのばし、枝スをそこから伸ばしてウナギのいそうな所に置くのである。マグロの延縄漁のウナギ版である。ということで、淀川にウナギが居ることは小さいころから知っていたが、河の汚さを考えると自分もやってみたいとは思わなかったのである。

その淀川ウナギに、資源枯渇で注目を浴びるようになったのだが、ウナギの全国組織から待ったがかかったらしい。「「親をとると子どものシラスが獲れなくなる」という言い分である。おかしな理屈だと思う。

ウナギの資源枯渇の大きな要因は、親の乱獲ではなくシラスの乱獲によって親が減り、その結果シラスが減るという悪循環によるためだ。本当に資源枯渇が心配なら、シラスの禁漁を何年か続けるしかないと思う。

天然ウナギか、人工授精から育てる養殖ウナギのどちらかしか食べられないことになるのだが、卵から育てるウナギは今の技術レベルでは一匹育てるのに、1000万円のコストがかかるらしい。研究が進んでも、フグより高い“超高級魚”になるのは間違いなさそうだ。

幕張メッセの近くにある花見川は、印旛沼から流れており、河口付近でウナギがとれるらしい。高値が続くとチャレンジする人が増えるのではないだろうか。


仙台では、復興支援に活躍したNPOへのインタビューを4件行った。当初の予定では、被災地の現場でのインタビューを予定していたのだが、私の担当した相手は全て仙台市内の中心部であったため、現場の“におい”を嗅ぐことはできなかったため、仕事を終えてから視察をすることにした。

被害の実態を観るには石巻より北側が適しているらしいのだが、鉄道はまだ寸断されており、バスでしか出かけられないということであった。一方、南部の方では仙台空港までの鉄道路線があり、名取駅からタクシーを利用して海岸線までタクシーで出かけることにした。震災の当日、NHKのヘリコプターの映像がライブで津波の襲来を伝えた場所であり、私の記憶にはまだ鮮明に焼きついている場所である。

仙台駅から名取までの運賃は230円で、快速では10分足らずの近さである。仙台を出てすぐのところには仮設住宅なのだろう、100戸あまりのプレハブが並んだ地域があった。仙台の中心街では震災があったことなど微塵にも感じなかったのだが、いきなり洗礼を受けた感じで、気持ちを引き締めて名取に降り立った。

名取駅から、ゆりあげ(漢字変換では出てこない。門の中に水の字が入る。津波の被害を象徴するような文字だと不謹慎にも思ってしまった)の海岸までは7~8キロ程度だろうか。津波を食い止めた仙台東部道路はその中間にあり、その手前あたりから建物の間にポツポツと空き地が見られる。東部道路の隙間をくぐり抜けた津波の被害にあった家屋の跡だという、タクシーの運転手の解説があった。

東部道路を越えたところには、ビニールハウスが立ち並んでいる。カーネーションを栽培しているとのことで、早くも復興が始まっていることを実感したのだが、数百m過ぎると景色は一変した。

b00932ae.jpg回りの建物がすべてなくなった中で、1軒だけぽつんと魚屋の建物が残っていた。人は住んでいないようで移転先を伝えるための張り紙らしいものが見られた。




b61d8306.jpg近寄って見ると違った。この写真をクリックすると拡大できるので興味のある方は読んでみてください。とても悲しくなるメッセージです。




魚屋を過ぎると、建物の跡形は全くなかった。遠くに見えるのは、がれきの集積場と“日和山”である。片側1車線の生活道路に、無数の細い道が交差している。車がすれ違うことは難しいような狭い道路で、路地のようなものである。このような道が無数にあるということは、人が密集していたことの証拠である。

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運転手の話によると、震災前にはこの辺りに9700人もの人が住んでいたとのことであり、田舎では貴重な「人口密集地」を、津波が一瞬にして消し去ってしまったのだ。

c0fd7f43.jpgこれが日和山である。大正時代に造成されたもので、明治三陸地震の時に襲った津波の高さになっているとのことである。手前の雑草に覆われた所にも、家が立ち並んでいたようなのだが、先人の残してくれた教訓は生かされなかったということだ。



広大なエリアはほとんど真っ平らで、高い建物は3階建ての中学校の校舎だけだ。その校舎も2回まで津波が押し寄せたのことで、津波が来るということが分かっても、逃げる場所がほとんどなかったものと思われる。NHKのヘリからの中継で車で逃げ惑う人々が数多く見られ、「なんで車で逃げるのだろう」と疑問に思ったが、現場に行ってみてよくわかった。とても歩いたり走ったりして逃げられる地域ではなかったのだ。

タクシーの運転手は30歳代の若い人だったが、地元についての知識が豊富で色々教えてくれた。私のような被災地見物をする観光客はいるかと尋ねたところ、何人か乗せたことはあるそうで、「色んな人に見に来てもらいたいんですよね。観たこと、感じたことを色んな人に話してほしいんですよ」とのことである。

震災からの復興(がれき処理も含めて)を進めるためには、積極的に“被災地ツアー”を行うべきだと感じた。ちなみにタクシーの料金は4260円で、これも被災地への支援になったと思うのだが。


昨日までの仙台出張で、ようやく7月の出張ラッシュが終わった。次は9月に何箇所か出かけることになっており、行先はまだ決まっていないが今度は西の方になりそうだ。仙台では、仕事の合間を縫って被災地も見てきたがその感想は時間がかかるので後回しにして、気になったニュースを2つ取り上げたい。

普段朝日新聞は読んでいないが、ホテルで配られる新聞は朝日新聞だったので、食事をしながら読んでみた。トップ記事は、小沢“足軽新党”結成と、パンダの赤ちゃんが死亡したことだった。何ページかめくったところのべた記事に気になるニュースがあった。

国会事故調査委員会の報告書に、英米の新聞が批判記事を書いているというものだった。手元に新聞がないのでうろ覚えなのだが、事故原因を日本の文化的なものに求めているということへの批判だった。

たしか事故原因は、菅直人リスクも含めた“人災”というのが結論だったはずで、日本文化がもたらした人災という話ではなかったように思うので、不思議に思ってべた記事を読み進めると、日本の文化うんぬんというのは英文報告書の序文に記載されているとのことである。

序文は、委員長自らペンをとったものだが、日本語の報告書と英語の報告書では内容が少し異なっていたようだ。海外の書物で、「日本語版序文」を見かける事は珍しいことではない。その国の読者に読むべきポイントを指摘しており、意味がないことではない。

しかし、今回のケースでは欧米のスタンダードにならい、委員長自らがしたためたのだろうが、それが仇となってしまったようだ。この報告書のミッションは事故の原因究明であるはずで、肝心の結論部分がバージョンによって異なるというのは、行きすぎだったと思う。

「二枚舌」というのは最も嫌われる言葉の一つだが、今回の報告書はその言葉がぴったり当てはまる。これで、日本語版報告書の方も、眉に唾をつけながら読まれることになりそうだ。

もう一つは、パンダの死亡について書きたかったのだが、出かける時間になってしまった。別の機会にしよう。


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