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今週の週刊東洋経済は、「経済学」についての特集であり、中々面白い。「なぜあの人はいつも焼き魚定食なのか」「ハイブリッド車が思ったより売れないわけ」などという見出しの面白さについ惹かれて買ってしまった。

記事は20の現代の問題点について、経済学の視点で分析したものであり、主として最近さかんに研究されている「行動経済学」の観点からの指摘となっている。

例えば焼き魚定食ばかり食べる人の行動を、価値関数の一つである「損失回避性」により証明できるという。損失回避性とは、1000円の利得を得ることができるときと、1000円の損失が発生する時では、1000円の損失の方が同じ金額であっても大きく感じられることをいう。

このことが、「現状維持バイアス」というものにつながり、焼き魚定食をいつも食べる行動につながる。

さらに「現状維持バイアス」は「初期値効果」というものをもたらしている。これについての面白い実験結果が紹介されている。

ドナーカードで、「臓器提供の合意」と予め書かれており拒否もできるパターン、「臓器提供しない」と設定してあり提供もできるパターン、初期設定がなく自由に選べるパターンの3種類のアンケート結果である。

最初のパターンでは合意するが82%、2番目は42%、3番目は79%が合意を選んだという。日本やイギリス、ドイツなどのドナーカード普及率は10%台だが、スウェーデンやベルギーなどでは90%になっており、この要因は初期値設定の違いにあるとしている。

経済学というよりも心理学に近いような話であるが、行動原理を考える「行動経済学」という新しい分野らしい。マーケティングは学際的な分野であり、心理学や経済学の知識も必要であるが、「行動経済学」は選択科目ではなく、必須科目であるような気がする。

この記事の監修者の一人である明治大学情報コミュニケーション学部の友野典男教授の「行動経済学」(光文社新書)と、大阪大学社会経済研究所の大竹文雄教授の「経済学的思考のセンス」(中公新書)は、新書版で読みやすそうであり、是非読んでみようと思う。
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