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参議員選挙の前哨戦である東京都議選挙は、自民・公明の全員当選という圧勝で終わった。共産党の議席倍増も併せて考えてみると、43%という低い投票率が招いた選挙結果だと思う。昨年末の総選挙と同じ現象で、自公には投票率の低さが味方になったものと思われる。

前回の衆議員選挙では、惨敗した前々回の時と自民党の比例代表の得票数はほぼ同じであった。にもかかわらず、小選挙区では公明党の後押しも効いて、300議席獲得の圧勝となった。今回の都議選でも、自民党の得票数はそう多くは伸びていないと思う。民主党の得票数が減りすぎたために、議席数で大逆転が起きたということだろう。

民主党に期待していた人たちが行き場を失い、他の政党に投票するのではなく、投票の棄権という行動になってしまったようだ。この分では次の参議員選挙でも、同じ現象が起こり、自民党の圧勝によるねじれ解消で、政権の“安定化”が図れるということになりそうだ。

しかし、よくよく考えてみると投票率が低いと政権が安定し、投票率が高くなると不安定化するというのはおかしな話だ。投票率が高いと多くの支持を得られることによって安定するはずなのだが、投票率が上がると自民党政権に対する批判票の方が増えるということになるからだ。

民主党は、かつての社会党のように溶けてなくなるのかもしれない。しかし、このまま消滅してしまうと、どの政党もみんなコンサバティブ政党になってしまうと思う。コンサバティブに対するリベラルという構図は政治の世界の緊張感を維持するためには必要な要件だと思っている。

民主党が再生するためには、リベラル政党ということの旗幟を鮮明にすることが必要なのではないだろうか。現状ではリベラル志向の有権者の投票先がなく、投票率の低下=コンサバティブの勝利ということになっているように思うからだ。



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