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昨日はニュースネタの多い一日だった。まずは海老蔵の長時間記者会見(1時間以上の会見だったからワイドショーにとっては当分材料には事欠かないだろう)、ウィキリークス創設者の逮捕(欧米ではトップニュース)、PISAの学習到達度調査の公表、金星探査機あかつきのトラブルなどである。

色々なニュースの中で注目したいのは、「ユニクロ全店長 海外勤務」という見出しの記事である。
http://www.nikkei.com/news/headline/article/g=96958A9C93819696E2E5E295988DE2E5E3E0E0E2E3E28698E2E2E2E2


ユニクロは停滞が著しい日本の産業・企業の中にあって、今世紀に入って唯一成長を遂げた企業ではないだろうか。2000年ごろにはそれまでの常識を破壊する異端児という存在にすぎなかったのが、今ではユニクロの方式がスタンダードになりつつあるような気がする。

私の研修プログラム「マーケティング・アイ」の中に、ユニクロの成長戦略について考えるコーナーを設けてもいた。商品の成長戦略に用いられるライフサイクル曲線は、企業にもあてはめる事が出来、成熟期を迎えた際に「土俵を替える」ことにより、成長期を維持するという「3段ロケット論」をテーマにして議論の素材としていた。

ユニクロの土俵を替える作戦は、海外展開しかないというもので、先陣を切るのがアメリカ市場でなくイギリスであるところに意味があるというのが私の見立てであった。

2000年当時は、ユニクロは「安売り店」というイメージが先行していたが、実際には粗利が4割を超え、経常利益率は25%という高収益企業であったのだ。薄利多売ではなく、高利多売なのに、価格の安さに目を奪われて誤ったイメージを持たれていたと思う。

強さの秘密は商品開発力にあり、中国市場では魅力的な品ぞろえの店というブランドイメージが定着しているようである。もはやユニクロにとっては国境などは存在しないのだろう。その象徴的な事が、今回の海外勤務を特別な事とせず、社員にとっては当たり前とする企業文化になったと思うのである。

ユニクロの成長の軌跡を見ると、最初は常識外れでも、やがてはそれがスタンダードになるということの繰り返しのような気がする。ユニクロ・スタンダードとでも呼ぶべきかもしれない。宅急便のヤマトと並んで経営学・マーケティングのお手本のような企業だ。

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