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昨日の話しの続きを。何故新興国戦略においてCSが決め手となるかの補足をする。

進化論的な立場で考えると、国の発展・成長段階は①物不足の時代=基盤整備、②いかに売るかの時代=成長への助走、③差別化の時代=高度成長、④CSの時代=生活の質の追求、⑤SS(社会満足)の時代=成熟化社会の実現の5段階になると思う。

先進国は2000年以降、⑤の段階に入っているが、日本は90年代後半から先進国の中でも先頭を切って成熟化社会を迎えており、舵取りを間違えると⑥の衰退の時代に突入するかもしれない(既に突入しているという見方も出来るが、私はギリギリ崖っぷちで留まっていると思う)。

この観点で世界の国を眺めてみると、アフリカ諸国などは①の段階が大部分であり、北朝鮮も①レベルだろう。我々が対象とする新興国と呼ばれるグループは②ないし③の段階の国々で、中国やロシア、ブラジルなどは③、インドやインドネシアは②から③に移り変わろうとしている時期である。

中国やロシアなどでも③の段階であるからCSが決め手にはならないのだが、上澄み層=エリートだけを見ると④の時代に入っている人が多くを占めており、CSが競争の決め手になるのだと思う。

CSの時代の特徴は、消費者の基準で物事を決めることにあるのだが、その基準は欧米=キリスト教的価値観が主流になっていると思う。これに対して、日本流の価値観=生活様式を訴えることにより差別化を図るというのが私の考えである。日本流の輸出である。

日本のよさをトータルで売り込もうというものである。日本的スタンダードが受け容れられるために、最も手っ取り早いのは体験してもらうことであり、そのためには観光が重要な役割を果たすと思う。

年末に出された政府の成長戦略では、環境・健康・観光の3分野で100兆円の需要創出を図るということが打ち出されたのは、正しい方向だと思う。

観光についてもっと触れたいのだが、明日にまわす。

カレンダーの今日の標語は、「人にも物にも親切に」だ。観光のキーワードの一つだと思う。
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