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福田首相が辞任表明をせず、国会を開会していたら、今頃は火だるまになっていたろう。金融危機への対処、事故米流通問題など立ち往生する姿が目に浮かぶ。先を読んだ辞任だったのだろう。先を読む目があったということだ。

AIGの公的支援注入により持ち直したアメリカの株価は、またもや大幅な下落であり、今日の東京市場も大幅下落になるだろう。アメリカの場合は政府の金融業界に対する政策が信頼されていないのが、株価下落の要因である。

思い切った手を打つのは、後任の政権のことを考えるとやりにくいという同情すべき側面もある。政権末期の難しさが如実に表れている。

福田内閣も似たようなもので、ダラダラと総裁選ごっこをやっている間に、問題が次々に出てきており、「政治空白」を作った罪は重い。これでは「新顔」による支持率アップ効果はほとんどないのではないだろうか。

今朝のNHKのニュースによると、農水省は問題が生じた場合の対処方法が未整備なために、当分の間米の輸入を行わないことに決めたと報道されている。これも政治空白がもたらした、緊急対応ができないという問題をさらけだしたものの一つであろう。

日本もアメリカも政権末期の、無気力症候群に犯されているとしか思えない。国民にとっては不幸なことである。

ところで、民主党は国民新党と合併協議に入ろうとしている。郵政改革を見直し、郵政票を取り込むためなのだろうが、国民新党は自民党よりもさらに「自民党的体質」の色が濃い政党である。プラスに働くとは思えないのだが。

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昨日の夕刊に、「家計金融資産減少幅最大に」という見出しの記事が掲載されていた。これは日銀の「資金循環統計」で、企業や家計の資金の流れを調べており、そのうち家計のストック部分を推計したものであり、よく「個人金融資産1500兆円」と呼ばれているものである。

この個人金融資産をいかに活用するかが話題になり、今回の総裁選でも麻生氏はこのことに触れている。しかし、今ひとつピンと来ない人が多いのではないだろうか。

1500兆円の金融資産ということは、国民1人あたりにすると、1000万円を超える金額になる。6人家族の我が家では7000万円ある勘定になるのだが、桁が違う金額である。

身長や体重は富士山型の正規分布の形を取るが、所得は一部の人に集中する「べき分布」の形になる。平均という言葉は正規分布では有効なのだが、べき分布では何の意味も持たないものである。

だから、個人金融資産というのは、国民1人あたりという平均の概念をあてはめるべきものではない。それにしても、この個人金融資産というのはよくわからない数字である。

どのようにして算出しているのかを以前調べたことがあるのだが、日銀のホームページでは100ページを超えるような記述があり、少し読んで嫌になった。わかったことは、個々人に対する調査ではなく、銀行や生保などの金融機関に対する調査で推定しているらしいことである。

90年代初めから、個人金融資産の活用という言葉が叫ばれだしたのだが、その当時は500兆前後であり、それが90年代の半ばには700兆円を超え、経済成長率をはるかに凌ぐ伸び率で、2005年に1500兆円を突破したのである。

年平均5%を超える伸び率である。このメカニズムを明らかにすることにより、有効な経済対策が打ち出せることになるのだが、金額の大きさだけが一人歩きしているような気がする。

一ついえることは、資産は高齢者ほど多くなるものであり、「相続税」というのがかなり大きな金額になるということである。かりに、5%が相続対象になったとすると75兆円であり、その20%を徴収できたとすると15兆円であり、消費税5%分を上回る金額になるのである。

国と地方の税収の合計は80兆円を少し超えた金額であり、馬鹿にならない金額であるのだが、相続税と贈与税は合わせて1.5%の1兆2千億円にすぎない。相続税は不動産も含まれるため、この金額はかなり少ないように思う。

やっぱり、個人金融資産の構造を明らかにしなければ、有効な手立ては考えられない。
今朝は新聞休刊日で、朝刊がない。昨日のリーマン・ブラザースの経営破綻について知りたかったのだが、ネット上の記事ではその実情が今一よくわからない。ラジオのニュースでは、負債総額が64兆円に達し、これまでの最高額の10倍の規模になったという。

とんでもなく大きな負債金額であるが、差し引きされる資産もあるだろうから実質的な「負債」がどれだけあるのかはよくわからない。ただいえることは、住宅価格の下落と、金融の信用収縮によって「資産」がドンドン目減りを続けていることだけは間違いがない。

バブル崩壊の恐ろしさである。日本は90年代の初頭にバブルが弾けて、20年近くたった今でもその後遺症からまだ抜けきれず、さらに悪化の気配すら感じられる。

アメリカでは90年代後半から成長の波に乗り、不動産価格は2000年代に入って急上昇したが、2年位前から変調を見せ始め、損失がドンドン膨らみ始めて耐え切れない大手金融機関が続出しはじめたのである。

バブルとは信用膨張の産物である。日本でも80年代後半にバブルの真っ盛りで、海外の物件をドンドン買い漁っていたが、その原資は日本の地価の総額が、アメリカのそれを上回っていた信用膨張の結果である。

今回のバブル崩壊の影響は不動産価格の下げ止まりがはっきりするまで、避けられないだろう。アメリカでは住宅だけでなく、自動車も売れなくなってきているようである。

アメリカの消費の低迷は、アメリカへの輸出が大きなウエイトを占める中国を直撃し、中国経済のダメージが、アジア市場にシフトしている日本企業に影響を及ぼすという連鎖が見て取れる。

ネット上の記事では、原油価格が1バレル97ドルの水準にまで低下が伝えられている。原油価格は1バレル200ドルまで上昇すると予測する金融機関があったのに、このところ価格は下落傾向が続いている。これもバブルなのだろうか。

国際経済の話は知識が乏しく、断片情報を組み立てて全体の構図を読み取るのが難しい。こんな日には、情報量が多い新聞の価値が大きいのに、何で休刊日なのだろう。

ニューヨークの株価は500ドルの暴落になったのだが、東京市場は1000円近く下がるのではないだろうか。
世の中は3連休ということなのだが、普段の休日と変わらず、我が家の周りはひっそりしている。ラジオの交通情報では初日の一昨日はかなりの渋滞のニュースが流れていたが、昨日はそれほどでもなかった。

景気が低迷する中で、ガソリン価格の高騰もあり、ひっそりと過ごす人が多いためだろう。今から35年前のオイルショックの時は、ガソリン価格だけでなく、諸物価の高騰が今以上に激しく、大変な時代だったのだが、世の中はもっと明るかったように思う。

日本人の平均年齢は30歳を少し超えた程度で、世の中はエネルギーに満ち溢れていた。団塊の世代は20代半ばで、これから人生を切り開くという意欲に燃えており、パラダイムシフトに耐えられたのだろうと思う。

現在の新たな価格体系のパラダイムシフトを迎えるにあたって、団塊世代はリタイアの時期にさしかかり、新たな人生を切り開くエネルギーは残っておらず、将来に対する不安感が現在の閉塞感につながっているのだと思う。

高度経済成長から引き続く成長過程では、政府が極力市場介入を避け、市場の判断に委ねる「小さな政府」路線が有効に機能していたと思う。平均年齢30歳代の政策だ。

しかし、成熟時代に入ると、「小さな政府」では不安感が拭い去れず、消費の縮こまり現象が起きる。平均年齢43.8歳という現在の日本はまさにこれで、「大きな政府」への転換を模索するべき時期だと思う。

スウェーデンは大きな政府の代表国家であるが、平均年齢は41.3歳と既に不惑を超えている。国家の規模は違うので難しいのだろうが、ベンチマーク対象として考えるべきではないだろうか。

一昨日、H&Mの1号店が銀座にオープンした。ユニクロのライバルのような企業であり、スウェーデンの企業である。同じスウェーデンの企業ではIKEAが先に日本へ出店し、そこそこの成功を収めている。今週末には「マーケティング夜咄」があるので、その折に店を覗いて見ようと思う。
パラリンピックが北京で開催されている。これまでの大会では日本選手は大量のメダル獲得をしていたのだが、今回はそれほどでもない。

資格区分の変更により、「過去の実績者」が障害の程度の軽いカテゴリーに組み入れられたために、苦戦しているのが多いようである。そうでもしなければ、大会の規模が肥大化しすぎるのでやむを得ないのだが、何のためにハンディのある人の大会を行うのかということを考えると、腑に落ちない感もある。

オリンピックの夏季大会は、身体能力の豊かさを競う大会、冬季オリンピックは財力の豊かさを競う大会であるように思う。パラリンピックの場合は、ハンディのある人が社会にどれだけ受け入れられ、順応しているかの、社会としての成熟度を競う大会のように思う。

日本選手の活躍しか報道されず、世界的に見て日本の成熟度がどのレベルにあるのか判然としないのは残念なことである。多分大会終了後には総括的な記事が取り上げられると思うので、どのような分析がなされるのか注目してみたい。


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