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有馬記念のトーセンジョーダンは惜しくも5着で、正月はいつも通り質素なものになりそうだ。今年の有馬記念はいつも以上にメンバーがそろい、売り上げに注目していたが、377億円で前年をわずかに下回る結果になった。

98年の有馬記念では今から思うとしょぼいメンバーにもかかわらず、800億円近くの売り上げがあったのと比べると、さびしい限りで、日本経済の低迷・活力のなさを象徴しているような気がする。

気を取り直して、夜は「坂の上の雲」の最終回を観た。司馬遼太郎の原作は20代のころに読んだ。維新から日露戦争までの間の、「日本の明るさ」をテーマにした小説で、高度経済成長期の明るさと共通したものを感じながら読んだ記憶がある。

日露戦争以降、その明るさが徐々に失われ、日本は第二次世界大戦まで突入していくのだが、その背景には日露戦争の“勝利体験”が、逆に災いをもたらしたものだと思っている。

バブル崩壊以降の「失われた20年」が、高度経済成長と言う“勝利体験”を引きずったのと同じ構図であったように思う。

もう一つ最終回を観て印象的だったのは、日比谷公園焼打ち事件が取り上げられていたことだ。ポーツマス交渉で日露和平交渉が行われ、買ったはずの日本がロシアから賠償金を獲得することができず、民衆が暴徒化した事件である。

これを引き起こしたのはメディアによる“煽り”である。第二次世界大戦にまでいたったのも、メディアが“国益”を大きな声で叫んだこともその要因である。メディアの“煽り体質”は今も変わっていないのではないだろうか。

日露戦争から、第二次世界大戦の敗戦まで40年近くかかっている。バブル崩壊からまだ20年しかすぎておらず、暗い時代がまだ20年ほどかかるのだろうか。競馬の売り上げはどこまで落ち込むのやら。
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