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日銀総裁の任期が今日までなのに、後任が決まりそうにない。「あらたにす」で社説を比較すると、読売は一方的に民主党のせい、日経も民主党に非があるという論調で、朝日は政府の責任もかなりあげており、引き分けというところだろう。メディアは政府の態度を支持しているようだ。

「財務次官経験者ということだけで反対するというのは乱暴だ」という意見が、民主党批判の中心になっている。

確かにそうなのだが、私の疑問は、政府はなぜ財務次官OBの起用に、ここまでこだわるのかという点である。民主党の鳩山幹事長は、週末のテレビ番組で財務官OBの名前を二人上げ、その人たちなら賛成してもよいというニュアンスの発言をしていた。

民主党からのサインにもかかわらず、田波氏を総裁にする案を提示してきた。大連立騒動以来、両党のパイプが細くなっていることが原因らしいが、外交交渉の場でもこのような読み違いをしているのではないかと考えると、恐ろしくなる。

ここまで政府がこだわったのには、「財務省」の意向が大きな影響を与えている。昨日の夕刊紙の記事の中で、ナンバー2の財務官からの登用は、「人事序列が乱れる」という文言が目に入った。

この一言で、今回のゴタゴタ劇の原因がわかるのではないか。日銀総裁は財務省の官僚にとって最高の天下りポストであり、1ランク下のものが就任することはあってはならないのである。

鳩山幹事長は、先のテレビ番組で、「選挙に勝った後の政権運営を考えると、財務省の意向に沿っておいた方がよいのだが…」という発言をしていた。その時は、そういうものかと思っただけだが、今回の混乱を見ると、政府=財務省なのかという気がしてきた。

著しく判断力のない、今の政府に政治は任せたくないのだが…
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