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昨日からようやく夏空が戻ってきた気配で、しばらくエアコンのお世話になる日が続きそうだ。先日テレビの番組で、電気料金の請求書に、前年の電力使用量が掲載されていると紹介されていた。今まで請求書は料金を確認するだけで、前年の数値が掲載されているのは知らなかった。

改めて請求書をチェックしてみると、節電を意識していたのだが、先月の電気使用量は昨年の5割増しだった。6月12日から7月10日までのカウントだから、一カ月のフライングで夏に突入したことを示す数値である。逆に冷夏を感じさせた7月下旬からの2週間があったため、今月の電気使用量が昨年をどれだけ下回るのかが楽しみでもある。感覚的には3割は減っているはずなのだが…

気候という外的要因によって電気使用量が大きく変化することが良くわかったが、為替レートも外的要因によって大きく変動するのには驚かされる。このところの円高は、日本の産業・景気が好調という自力の要因ではなく、ほかよりちょっとましという変な理由によるものだ。

日本経済は失われた30年に向かってまっしぐらに進んでおり、明るさは全く感じられないのに円高が進むということは、アメリカやヨーロッパの経済がもっとひどい状況にあるということだ。

産業界から悲鳴が上がっているのに応えて、ようやく政府は為替介入に踏み切った。単独介入で効果は疑問視されていたが、面白いように円安が進み、一時80円台まで戻した。

しかし、その後は78円台で推移しており、それほど大きな効果とは言えないものになってしまった。さらに、今朝のニューヨークの株式市場は500ドルを超える暴落になってしまった。これでは、為替介入や金融緩和による対策も水の泡になってしまいそうだ。

巨額の財政赤字を抱え、成長の兆しが見えないのに他よりましという不思議な円高になっているのは、個人金融資産1400兆円の威力だと思う。これがあるから、国債消化を苦労せずに済んでいるためである。

しかし、このペースで財政赤字が進むと10年ほどで個人金融資産は食いつくしてしまいそうだ。何とかしなければならないのだが、責任を負うべき政治の世界では「子どもか児童か」という党利党略しか考えていないのは憤りを感じるしかない。

ダイエットの有効な方式として、毎日体重を記録するというのがある。数字を目にすることで注意を促すものであり、前年の電力の掲載も同じような効果を狙ってのものだろう。

この際、個人金融資産から国債の発行額を差し引いた、「個人金融資産残高」を毎日公開したらどうだろうか。最近メトロの駅には、電力消費量を掲示するモニターが設置されている。節電に逆行しているようだが、数字を常に目にすることで、モニターの電力使用以上の大きな効果があるのだろう。

このモニターに、「今日の個人金融資産残高」も合わせて表示するのだ。
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