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日銀総裁人事は、「チキンゲーム」の様相を示してきた。どちらが折れるかが問題になるのだが、気になるのは有力新聞の論調が民主党の責任に傾いていることで、申し訳程度に与党の不手際を述べている点だ。

まさに、論陣を組んで民主党の責任を問うているような感じがする。今朝の日経の春秋でも「なぜ反対かにさっぱり合点がいかない」としている。

この人たちは、2000年以降(小泉構造改革以降と言い換えてもよい)に日本がどのような状況に陥ってしまっているかの認識がまったくないのではないか。

1人あたりGDPは2000年には2位だったものが、2006年には18位にまで落ちてしまっている。それでも「いざなぎごえ」の景気回復という言葉を使っている。いざなぎごえによって、企業の業績は6年間で大きく向上し、内部留保や株主配当は3割以上増えているが、賃金は微動だにしない。

これが国内市場に閉塞感が漂う大きな要因である。この背景に、日銀の超低金利政策がある。金利の低さが経営者のモラルハザードを引き起こし、消費者の消費意欲の減退ということにつながっている。大量の国債を抱える財務省は、絶対に金利を高い水準に誘導することはできないはずで、財務次官経験者が現在の日銀総裁に適任であるわけがない。

欧米では、財・金分離にはなっていないということが、よく引き合いに出されるが、国債の発行残高など状況が違うと思う。

首相の行動記録を見ると、3月7日の金曜日の19時32分から、芝公園の「とうふ屋うかい」で報道各社の編集委員らとあり、12日の19時23分から、六本木のフランス料理店「エディション・コウジ・シモムラ」で田勢康弘日本経済新聞客員コラムニスト、岸井成格毎日新聞特別編集委員らとなっている。

メディアがこんなに権力と結びついていていいのだろうか。ナベツネの不可解な行動といい、「社会の木鐸」という言葉は本家の木鐸同様に死語になってしまったのではないだろうか。

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