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代表選挙の結果を受けての日経の世論調査で、内閣支持率は71%と極めて高い水準に到達した。昨日のサプライズ市場介入についての評価が反映されれば、もっと高い支持率になったのではないだろうか。

代表選で再選が決まった途端に円は急上昇した。弱腰政権に、市場はなめてかかってきたのである。気の弱い子に、いじめっ子がだんだんエスカレートした子供のころを思い出す。その時は、いじめられていた子供が突然反撃に転じ不意打ちを食らったことと、普段は気の弱い子の迫力(落差が大きかったのでよりインパクトがあった)に、いじめていた方が降参してしまった。

昨日の介入はそれと同じような効果があり、弱腰政権でも「やる時はやるんだ」ということを示したのではないだろうか。

単独介入では効果が乏しいとされていたのだが、2兆円を超える金額が投入されるとそれなりの効果があることがはっきりした。思惑が交差する協調介入よりもむしろ効果的かもしれないと思う。バックにあるのは個人金融資産1400兆円の重みであり、これからの日本社会の進み方を暗示しているのではないだろうか。

経済が芳しくないのに、円高が続いてきたのは、ドルやユーロよりもましだという「消極的理由」であり、内閣支持率が上昇したのも他の政権よりもましという「消極的支持」である。面白い現象である。

政権にとって当面の課題は人事、先の課題としては予算である。支持率が50%以上をキープし続ければ、反対派の矛先は鈍らずを得ない。したがって、内閣の最重要課題は支持率を維持向上させることになる。

支持率に迎合するのをポピュリズムと批判する声もよく聞く。しかし、支持率とは国民の内閣に対する顧客満足度を示すものだと考えられ、顧客満足度の向上に力を注ぐのは当然ではないだろうか。

20年近く顧客満足度調査をやってきたが、その中ではっきりしたのは、顧客満足は期待が大きいほど高くなるということである。人々は思いがけない満足を期待しているのではなく、期待通りの満足を望んでいるのである。

サプライズ介入ではなく、期待感を持たせる政策をどれだけ打ち出し、予算案に反映させられるかが勝負である。注意深く見守りたい。
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西郷さんは今度は勝つかと思ったが、やっぱり負けてしまった。党員・サポーター票で大きな差が付き、優勢と見られた国会議員票でもわずかに及ばず、「選挙に強い」という神話は崩れた格好だ。

新聞の見出しでは、「圧勝」の文字が躍るのだろうが、これには注意が必要だ。5:1という大きく差が付いた党員・サポーター票だが、得票率でみると3:2でしかない。小選挙区制度と同じ「総取り制」による雪崩現象が起こったためで、このシステムの問題点が改めて浮き彫りになったと思う。

とは言え、200人もの議員が支持をしたのに、その選挙区では50人分の支持しか得られなかったのはショックが大きいだろう。特に、マッチ・ポンプ的な道化師役を演じた前首相や、政権放り投げのA級戦犯でありながら小沢支持に回った前官房長官が、自分の選挙区で取りこぼしたのはいただけない。次の選挙が不安になるのではないか。

今回の代表選挙は、私には西南戦争がダブって仕方がない。政権交代を果たしながら中枢のスポットから外れた面々が小沢を担ぎ出したのは、討幕を成し遂げたのに、遠ざけられ不満を爆発させた志士たちと同じように見えて仕方がない。

昨日は、打ち合わせの時間をずらしてもらい、最後の両者の演説を聴いてから仕事に出かけた。私の評価では、菅首相の判定勝ちであった。

その演説の最初に、亡くなった2人の議員の名前をあげたのも、討幕に功がありながら志半ばで亡くなった維新の志士達の事が連想させられた。また、演説の中で民主党の議員の出自の職業を連綿と読み上げた。これもいろんな階層の人々によって成し遂げられた明治維新を想い起されるもので、「原点」を意識させられた議員も多かったのではないだろうか。

ここまで考えた時に、不幸なことに気が付いた。大久保利通が居ないのである。討幕までは西郷さんの力が大きかったが、新政権の船出の功労者は大久保である。西郷さんに擬せられる人物はいても、大久保のような人物が居ないとなると…

新政権誕生のニュースと同時に、円高が急加速だ。
今日は民主党の代表選挙の日である。両候補ともに、最後の演説に力を込めているようで、是非とも聴きたいと思っていたのだが、その時間に打ち合わせがあるために断念せざるを得ない。演説は内容だけでなく、語り口や会場の雰囲気・反応まで総合的に判断しなければならないため、ニュース映像や記事では評価できず、直接触れる事が出来ないのは残念だ。

民主党の代表選が自民党のそれと違うのは、議員の投票に党員投票の結果が影響を及ぼさないようにするために、秘匿されている点だ。日和見を許さない制度になっている。自民党の総裁選では、地方票の結果で雪崩をうつのとは対照的である。

党員・サポーターや地方議員の得票は必ずしも民意とは言えないのだが、それを議員投票の判断材料にできないというのは問題があると思う。大きく食い違う結果になれば、小沢嫌いのメディアの攻撃材料をまた与える事になるのではないだろうか。

ムニャムニャ言うだけの頼りない首相も嫌だが、胡散臭い取り巻きに担がれた小沢にも信頼が置けない。最も気に入らないのは、支持を取り付けるために業界団体回りを積極的に行っていることだ。

昨年の自民党が政権を失った選挙でも、麻生総裁が最初に行ったのは、経団連をはじめとする団体行脚だった。官僚政治を打破するとお題目を唱えても、業界団体という利権集団を熱心に訪問するというのは、衣の下の鎧が見えすぎではないだろうか。国民は見ていると思う。

小沢を見ていると、討幕を果たしたものの政権中枢から外され、政権に不満を持つ青年将校たちに担がれた西郷さんを想い出してしまう。今度は西郷さんが勝利しそうなのだが、来年の春までは持たないだろう。

週末からスーパーの店頭では鍋料理のコーナーが設けられるようになった。少し涼しくなったとはいえ、気温30度を超える中で鍋をつつくのもどうかと、土曜日は手を出さなかったが、誘惑に負けて昨夜はエアコンをきかせて、よせ鍋にチャレンジすることになってしまった。スーパー猛暑も治まり、ようやく秋モードに突入したようだ。

スポーツの世界でも、秋シーズンがスタートし、野球は終盤戦になり、アメリカン・フットボールのシーズンもスタートした。今年はW杯というビッグ・イベントに関心が集中し、MLBのチェックはおろそかになってしまった。

調子が良ければ9月の初めには200本に到達しているイチローは、ようやく残り試合よりも必要な安打数が少なくなるペースにまで到達し、なんとか今月下旬には10年連続200本安打という偉業が達成できそうだ。

松井は、エンゼルスに移籍して期待されたが、今年は左腕との対戦で1割台しか打てずに不振で、先日は代打に起用されたのに、相手投手が左腕に替わると代打を送られ、「代打の代打」という屈辱を味わう羽目になってしまった。

松坂も不安定な投球が続き、10勝を目前に足止めをくらっている。今のところ好成績をあげているのはメッツの高橋くらいで、期待はずれが多い。賞味期限が切れて、来シーズンは日本に戻ってくる選手が多いシーズンになりそうだ。

イチローや、松井は日本に戻ってくることはなさそうだが、彼らもアラフォー世代であり、これまで以上の活躍を期待するのは難しそうだ。ここでも少し、秋を感じさせられる。
厚労省の元局長の裁判で無罪の判決が言い渡された。検察の強引な捜査に批判が集中しているが、当然だと思う。元局長は休職扱いになっており、1年間のブランクは大きく元の職場に復帰するのは容易ではないだろう。人生を大きく狂わせる冤罪の恐ろしさだ。

今回の事案で問題になっているのは、検察の描いた“事件の構図”である。国会議員、高級官僚が絡んだ不正に事件を仕立てあげ、その仮説にそって都合のよい供述を並べて構図を証明しようとしたが、供述の多くに?が付いた結果、構図が瓦解したわけだ。

検察の“暴走”という非難があがっているが、自分自身を振り返ってみると、似たようなことをしているような気がする。

市場調査を行う時に、いつも仮説を立てろということを口酸っぱくいわれ続け、仮説に基づいて調査の企画をし、データを分析してレポートを作成するということを教えられてきた。

そうするとどういう弊害が出るかというと、データを見るときに自分に都合のよい=仮説にマッチするものばかりに目が行き、それ以外は無視しがちになってしまうのである。企画段階でも、都合の良い結果が出るような調査設計をしてしまうこともある。

広告効果測定の調査などはその典型で、「いい結果を出してください」と広告代理店やメディア(特にラジオ局)などから、何度も言われたことがある。こうなると、こじつけの巧みさがリサーチャーの要件かとさえ思うほどだが、「顧客の要望」ということで、つじつま合わせに躍起になっていた気がする。

こういうレポートを書いていた人間にとって、検察の態度を非難する資格はないはずで、このニュースを見ながら忸怩たる思いをかみしめている。


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