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昨夜のNHK特集で、検事がフロッピーを改ざんしたにもかかわらず、なぜ証拠品とせず被疑者側に返還したのかという理由がようやくわかった。

被疑者側の弁護士が登場し、返還された後証明書の発行日付が6月8日であることに気が付いたという。これを裁判で被疑者側が証拠として提出すると、「被疑者の単独犯ではなく、上司から指示があったことが証明され」、罪の軽減を狙う法廷戦術として活用するか悩んだらしい。

結局証拠品にはしないでフロッピーを鑑定に出し、改ざんされたことが証明されたことにより今回の事件が明るみになったのだが、この間の弁護側の葛藤を見るとこれは検察が仕掛けた“罠”であると思う。

改ざんしたフロッピーを検察側の証拠品とせず、弁護側に証拠品として提出させそれを別に開かれている高級官僚の裁判に援用しようとした“高等戦術”である。

事件の本丸は、“高級官僚の罪”を暴くことであり、それをからめ手の下級官僚の裁判で、しかも弁護側から持ち出すことにより、証拠としての客観性を高めようとしたのではないだろうか。

改ざんした検事が、同僚に「爆弾を仕掛けた」と漏らしたという報道の意味も、これでよくわかった。

検事が紹介されるときのプロフィールには、必ず「○○事件にたずさわる」という紹介のされ方をする。どんな事件に関与したのかが検事にとっての勲章であり、政治家や高級官僚、経営者などの罪を暴くのに特別に設置された特捜検事にはとりわけその傾向が強い。40年近くたった今でも、「ロッキード事件の」という冠が付く堀田氏などはその典型だろう。

検事が暇なのは、世の中的に見るとそれはそれでよいことなのだが、当事者にとってはそうでもないのだろう。

今回のケースはたまたま魔がさしたと見るべきか、氷山の一角と見るべきか判断が分かれるところだが、後者と見る人の方が多いだろう。特捜=特高とならないことを祈るばかりだ。

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